2019 Fiscal Year Annual Research Report
超高速運動の進化から探る外骨格ばねと筋肉のやわらかい統合機構
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Soft Robot: interdisciplinary integration of mechatronics, material science, and bio-computing |
Project/Area Number |
19H05330
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加賀谷 勝史 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (00580177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 情報理論 / 移動エントロピー / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は口脚類(シャコ)における外骨格系(捕脚)の粘弾性変形を利用した超高速運動に着目し、その外骨格ばねシステムの情報処理過程を移動エントロピーという指標を用いた情報理論的アプローチによって明らかにすることである。捕脚に引っ張りパルス刺激を与えて再現性高く変形させる装置の作製を行ってきた。 本年度は標本の安定した固定方法が確立したことによりデータ取得のための技術的問題をほぼクリアすることができた。当初、標本に接着し張力をかけるワイヤーについて金属性のものを使用していたが、繰り返し引っ張りに対する疲労の回避のため、骨格クチクラへの接着性向上のために、オランダDSM社のダイニーマ・ロープを使用することで安定した。捕脚の変形の誘導は電磁石でパルス刺激を与える方式とした。接着剤についても様々なものを検討したが、二成分混合タイプのエポキシ樹脂系・化学反応系接着剤を用いることにした。結果的に安定した標本接着と引っ張り試験が可能となった。 パルス刺激の強度を調節することで変形のダイナミクスを変更できるようにした。標本の形態、粘弾性の個性によって同様には変化しないが入力を少数にしぼって選択固定してその違いによるダイナミクスの違いを検討できる。変形のダイナミクスはレーザースキャナーで同期的に取得できるようになった。装置の制御に必要な機器およびソフトウェアの開発整備もほぼ完了した。 しかし、特にシャコの入手が新型コロナウイルスの世界的な流行により困難となり新鮮な外骨格の入手が困難となり、また、代表者の所属機関異動もあり、実験室での研究が許可されていない状況にある。その中、共同研究としてウイルス感染にかんする疫学データの統計モデリングに参画して速報的論文を発表した。現在、本研究プロジェクトの方向性を模索している段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水槽ヒーターのアクシデントによる動物の死亡、新型コロナウイルスの影響による動物調達の困難化、代表者の研究機関異動活動によって遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響による動物調達の困難化のため、エタノールの中で保存している個体を用いて方法論の確立で研究報告することを目指す。それに伴う移動エントロピーをはじめとしたモデリングに必要なソフトウェア開発、データ解析のためのアルゴリズム開発を中心とした研究に方向修正する。
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