2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the history of agricultural systems and natural environments in the Satsumon period by investigating genetic diversity of foxtail millet and millet
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering Origin and Establishment of Japonesians mainly based on genome sequence data |
Project/Area Number |
19H05339
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
里村 和浩 北海道大学, 情報科学研究院, 特任助教 (90815804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 雑穀 / 栽培植物 / 野生植物 / DNA多型解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、雑穀アワ(Setaria italica)やキビ(Panicum miliaceum)の日本への伝播ルート、集団動態や環境適応の歴史を明らかにすることを目的としている。アワの祖先種エノコログサは日本各地に自生しており、栽培種と近縁野生種間で雑種形成も可能なため、遺伝子流動が人為選択による栽培種の適応的性質の獲得や、逆に近縁野生種集団の遺伝的多様性に影響を及ぼしていた可能性も考えられる。そこで、日本各地の栽培種アワおよびキビと、それらの近縁野生種を収集し、RAD-seq解析を行うことで、同所的に存在する近縁野生種と栽培種系統の遺伝的多様性を比較することを試みている。 当該年度においては、まずアワおよびキビの栽培系統の育苗および近縁野生種のサンプル採取を行った。日本の栽培種アワ41系統、日本の栽培種キビ34系統は、農業生物資源データバンクから種子を譲って頂き、培養土で育苗し、出穂を確認した後に、葉からゲノムDNA抽出を行った。加えて、アワおよびキビの近縁野生種として、祖先種の属するキビ連12種3亜種の植物サンプルを採取した。アワやキビの出穂時期である9月から10月にかけて、北陸25地点において75系統、中国四国地方23地点において52系統、北日本の38地点において110系統を採取した。また、採取した近縁野生種全てのサンプルの葉から、ゲノムDNA抽出を行い、RAD-seq解析を行った。現在、日本の栽培種アワ41系統およびアワの原種エノコログサ(亜種含む)54系統およびアワの近縁野生種アキノエノコロ48系統、キンエノコロ48系統、イヌアワ1系統の配列データを得ており配列解析を進めている。さらに、これから栽培種キビおよびその近縁種のRAD-seq解析も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、アワおよびキビの近縁野生種のRAD-seq解析を優先して行う予定だったが、完全に出穂していないキビ近縁野生種の同定が難しく、サンプル数の確保が予定より遅れてしまったため、当該年度においてはアワの栽培種および近縁野生種のRAD-seq解析を優先して行った。キビの解析が後回しになってしまったが、その分栽培種アワの解析を行うことができたため、概ね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、栽培種キビ系統およびキビ近縁野生種系統のRAD-seq解析を行う。加えて、国外の栽培種アワおよびキビ系統のRAD-seq解析を行う。得られたDNA配列データから、栽培種系統間、近縁野生種間の系統関係を調べる。また、地域集団間および種間でDNA多型を比較して、遺伝的分化の程度や遺伝子流動の程度を調べる。これらのデータから、アワおよびキビの日本への伝播ルート、集団動態や環境適応の歴史を推定する予定である。
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Research Products
(4 results)