2020 Fiscal Year Annual Research Report
南琉球八重山諸語における伝播過程の解明と言語系統樹の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering Origin and Establishment of Japonesians mainly based on genome sequence data |
Project/Area Number |
19H05353
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
麻生 玲子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 特任助教 (20810667)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 八重山語 / 系統樹 / 琉球諸語 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、本研究課題では研究協力者と共に以下に述べる3点を中心に研究を行った。1つ目は、八重山語に関する書籍(辞書・雑誌)のデジタル化作業である。この中には、1800年代後半に書かれた『海南諸島單語篇』田代安定(石垣四箇方言)が含まれる。当該資料は、東京大学理学図書館に原本が一冊残っているのみであった。貴重な資料であるにも関わらず、これまでに琉球語研究の分野では触れられてこなかったことから翻刻を行い、論文を投稿した。2つ目は調査である。調査方言は石垣宮良方言、石垣川平方言、波照間方言、黒島方言である。今年度はコロナウイルス感染症拡大防止の観点から、対面調査はほぼ実施できなかった。その代わりに遠隔調査あるいは東京近辺に住んでいる話者との対面調査を実施した。川平方言に関しては、2021年2月に刊行された『新版川平村の歴史』に語彙集原稿を寄稿した。3つ目は、八重山地域の言語系統樹を明らかにするために、これまでにデジタル化を行ってきた資料を用い、データベースを構築した。データベースに格納したデータは、本研究期間で収集した各方言の語彙資料に祖語データを紐付けしたものである。データベースに格納されている各方言の語彙数はのべ14万語に上る。データベースを有用に活用できるよう、整備の一環として検索UIを設置した。各方言語彙資料と祖語データを紐付けしたことにより、ある祖形を検索すると、紐付けされた各地の語形が横断的にヒットする。従って、ある語形に対して各地域でどのような音韻変化を遂げたか一覧で見られるようになった。さらに、比較作業の効率を上げるために、構築したデータから方言地図を自動的に作成するデータ可視化のプログラムを作成した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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