2019 Fiscal Year Annual Research Report
日琉諸語の歴史と発展についての総合的研究に向けて
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering Origin and Establishment of Japonesians mainly based on genome sequence data |
Project/Area Number |
19H05354
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
林 由華 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 特別研究員(PD) (90744483)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日琉祖語 / 系統論 / 言語変化 / 歴史言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日琉諸語の時空変異に関わる異なる研究手法と背景を持つ二分野、①系統関係(主として日琉諸語諸方言内部の下位分類)についての研究と②個別の文法現象(ここでは係り結びおよび格)の歴史発展の研究について、相互参照しながら研究を進める土台を作り、日琉諸語の歴史に関する総合的研究に結び付けていくことを目的としている。今年度は、代表者および研究協力者が個々の研究を進めつつ、主として2020年度に行うシンポジウムの打ち合わせ・準備を行った。 ①については、研究協力者らと共に現在の日琉諸語の系統論に関する問題点について話し合い、研究協力者間の共同研究の調整を行うとともに、次年度シンポジウムの内容を決定した。具体的には、日琉諸語諸方言の非中央語的特徴、および日琉諸語系統論における統計学的研究の諸相について扱うことになっている。 ②については、これに関する研究グループの研究集会「係り結び関連現象の通言語的研究に向けて」(大阪大学、2019年12月)を行った。日琉諸語の文献(古典)研究者4名、琉球諸方言研究者5名、それ以外の言語の研究者2名が参加。係り結び関連現象を記述するための枠組みを共有して個々の研究をそこに位置づけ、次年度のシンポジウム(9月)の構想を共有した。 上記①②は1回のシンポジウムでそのすべてを扱う予定だったが、それぞれのボリュームに鑑み、2020年度に別々のシンポジウムとして開催することに決定した。 また、科研全体に関わる活動として、一般向け講座での講演(「言語変化と方言の形成」、新学術領域「 ゲノム配列を核としたヤポネシア人の起源と成立の解明」第二回公開講演会、アオッサ、福井市、2020年9月15日)を行ったほか、次年度に行う研究会として宮古島諸島の人についての遺伝学、考古学、言語学の成果について議論する小研究会を企画している(2020年8月予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主として研究協力者との打ち合わせや研究会を行い、次年度のシンポジウムや総合的研究に向けての準備をすることを計画していた。「研究実績の概要」にも述べた通り、打ち合わせや研究会によってこれらを十分に達成することができたため、(2)おおむね順調に進展している とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2020年度)は、9月に個別の文法現象(係り結び・格)に関するシンポジウム、12月に日琉諸語系統論研究に関するシンポジウムの開催を予定している。また、COVID-19 の感染拡大防止のための集会自粛をいつまで行うべきかについての見通しが立たないため、これらのシンポジウムはオンライン・対面両方での実施が可能なように準備を進める。実績概要でのべた分野を横断した小研究会については、8月にオンラインで開催予定である。 また、実績概要でも述べたように、これらは当初ひとつのシンポジウムで行う予定であったが、2つに分けた。これにより、これらを統合した考察については、代表者がシンポジウム後に研究協力者らとの打ち合わせにより進める。
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Research Products
(2 results)