2020 Fiscal Year Annual Research Report
生体発動分子ATPアーゼ活性部位の立体構造比較と分類
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Engine: Design of Autonomous Functions through Energy Conversion |
Project/Area Number |
19H05390
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小池 亮太郎 名古屋大学, 情報学研究科, 助教 (20381577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 構造バイオインフォマティクス / データベース / 構造機能相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
ATPアーゼはATPの加水分解から得られるエネルギーを利用し,さまざまな仕事を行う蛋白質で,生体発動分子の好例である.加水分解反応の中核を担うのが活性部位であり,その形状(構造)はエネルギー伝搬の結果生じる分子機能(仕事)と関連しているはずである. ATPアーゼの活性部位の構造を網羅的に調べ,分子機能との関係を解析する.どのような構造の活性部位が,どういう仕事を生むのか,原因と結果の因果関係をつきとめる. 昨年度までに公共のデータベースを利用し,活性部位の構造が利用可能なATPアーゼを120種ほど収集した.今年度はこのデータを起点に解析を行った.まずは,得られたデータから分解能の良いデータを抜き出し,ATPの加水分解に欠かせない水分子が活性部位の周辺でどのように配置されるかを調べた.特に,加水分解時に水分子が作用するATPのγリン酸との位置関係を重点的に調べた.多くのATPアーゼでは,水分子が特定の配置をよくとることが分かった.また,これらの水分子の周辺環境も特徴的なパターンを持つことが示唆された.ATPの加水分解ではATPだけでなく水分子の配置も重要となる.今回の研究では,ATPと比べるとあまり解析が進んでいないATPアーゼ活性部位での水分子に関する知見を深められた. 収集したATPアーゼのデータを格納するデータベースの開発も引き続き行った.ATPアーゼの名称による検索だけでなく,酵素反応を表すEC番号による検索機能も加えた.また,ATPアーゼをその分子機能により分類し,グループごとにATPアーゼをリストアップするインターフェースを作成した.また,結合している基質の情報も付与し,ソートするインターフェースも作成した.機能や基質といった基本的な情報を付加し,それらに簡単にアクセスできるインターフェースを実装することで,データベースの利便性を高めた.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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