2020 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルス感染におけるシンギュラリティ
Publicly Offered Research
Project Area | Singularity biology |
Project/Area Number |
19H05411
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 北海道大学, 医学研究院, 教授 (30333503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / シンギュラリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、カルシウムチャネルがインフルエンザウイルス感染の鍵となる受容体であることを報告している。また、一部の細胞株においては、どんなに高力価のウイルスを暴露しても、感染効率は60~70%程度にとどまることを見出している。すなわち、細胞種依存的にウイルス感染のheterogeneityが存在する。興味深いことに、カルシウム チャネルがこのheterogeneityに関与することを示唆することが明らかになった(論文投稿準備中)。一方で、細胞に暴露するウイルスの感染価を下げても、感染細胞数決して0にならない。またこの時認められる感染細胞数は、カルシウムチャネル阻害薬によって変化しない。つまり、ある点を境に感染モードがカルシウムイオン非依存性からカルシウムイオン依存性にシフトする「特異点」があることを明らかにした。加えてこれらの現象を、ウイルス粒子を精密測定した上で実行することより、特異点はウイルスの粒子数により決定され、その数20個であることが判明した。すなわち、インフルエンザウイルス感染には粒子によるシンギュラリティ現象が存在することが明らかになった。 次に、特異点を乗り越えるメカニズムが何であるかを明らかにするために、広視野カルシウムイメージングを行った。その結果、カルシウムシグナル自身がカルシウムイオン非依存性からカルシウムイオン依存性へとシフトするキューであることが明らかになった。ウイルス感染が生じた細胞を起点にカルシウム伝播が生じるとカルシウムイオン依存性に感染が生じやすくなる「感染場」のようなものが形成され、その伝播の波をトレースするように、インフルエンザウイルス感染が拡大する。この感染拡大は我々が開発した感染レポーターにより追跡した。 これらの研究に加えて、ウイルス感染モードのシンギュラリティ現象について、SARS-CoV-2を用いた実験も展開中である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] A phospho-switch controls RNF43-mediated degradation of Wnt receptors to suppress tumorigenesis2020
Author(s)
T. Tsukiyama, J. Zou, J. Kim, S. Ogamino, Y. Shino, T. Masuda, A. Merenda, M. Matsumoto, Y. Fujioka, T. Hirose, S. Terai, H. Takahashi, T. Ishitani, K. Nakayama, Y. Ohba, B. K. Koo and S. Hatakeyama.
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Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 11
Pages: 4586
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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