2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identifying singular cells based on quantification of unpredictability in spatio-temporal modeling
Publicly Offered Research
Project Area | Singularity biology |
Project/Area Number |
19H05438
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
近藤 洋平 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 助教 (00724444)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞集団運動 / データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生細胞イメージング動画で観察される特異な細胞をその「予測不可能性の度合い」によって検出し、さらにそれが周囲へ及ぼす影響の強さと広さを定量化する手法を開発する。このために、「平均的な細胞」の動力学モデルを動画データから学習し、その誤差解析に基づいて「振る舞いが予測できない細胞」を見つけ出す。概念実証として、培養細胞シートにおけるシグナル伝達分子ERKの活性の時空間ダイナミクスと、それに駆動される細胞集団運動を解析する。このシステムについては豊富な生細胞イメージングデータとモデリング研究の両方が存在するため、本研究の推進に適している。
(1)アルゴリズム設計およびソフトウェア作成:提案手法について、具体的なモデル方程式やデータの詳細によらないフレームワークの部分を実装した。 (2)解析データの作成:先行研究で得られている、培養系でのERK活性と細胞運動の動画データを再解析し、本研究に必要な時系列情報を抽出した。各細胞のセグメンテーションとトラッキングによって位置と速度の時系列およびERK活性の時系列を得た。細胞の長期トラッキングは現代の画像解析技術でも容易ではないため、細胞核蛍光画像に対するトラッキングと位相差画像に対するオプティカルフロー法を組み合わせることで万全を期す。 (3)動力学モデルの構築:ERK活性の時空間ダイナミクスのモデルと、それに制御される細胞集団運動のモデルが先行研究で提案されている。これらのモデルを最近の知見をもとに更新し、実験データに対して定量的に適合できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画であった、(1)アルゴリズム設計、(2)解析データ作成、(3)動力学モデル構築はいずれも滞りなく実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度において準備した、ソフトウェア・データ・モデルを組み合わせ、シンギュラリティ細胞を見つけ出す。また、動力学モデルのパラメータをシンギュラリティ細胞のデータを用いて推定し直すことで、その予測不可能な挙動の背後にある生物物理学的・生化学的メカニズムを推測する。
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