2021 Fiscal Year Annual Research Report
水惑星表面の氷・含水鉱物・塩の計測を目指した小型レーザー発光分光装置の宇宙機開発
Publicly Offered Research
Project Area | Aqua planetology |
Project/Area Number |
20H04607
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長 勇一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00737687)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レーザー誘起ブレークダウン分光 / 惑星探査 / 小型光学系 / 宇宙用駆動部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水惑星表面の氷・含水鉱物・塩の計測を目指した小型レーザー発光分光装置の開発を行った。2021年度は、2020年度までに実施した宇宙用装置の設計を更に進めるとともに、最も開発要素が大きい項目であった「レーザー照射点位置調整用レンズ駆動系」の試験を重点的に実施した。 まず宇宙用装置の設計として、光学メーカのご支援を受けながら (a)プラズマ発光計測用分光器 (b)試料観察用カメラ(c)集光用望遠鏡の三つを組み合わせた光学系を設計した。また、将来の惑星探査計画への応用を念頭に置いて、レーザーを含む装置全体の配置や機構の設計を行い、その動作に必要となる電力や重量を算定した。得られた光学系や各種コンポーネントの設計から、宇宙用レーザー発光分光装置は10 kg以下の重量、20 W以下の電力で達成できるとの目処が得られた。 これと並行して、レーザー照射点位置調整用レンズ駆動系の機能試験と耐環境性能試験を重点的に実施した。レーザーの照射点距離の調整のためには、レンズを前後に動かす駆動部を光路中に挿入する必要がある。真空中での動作が保証されている民生用小型ステッピングモータを使用し、その回転をリードネジとナットによって直進運動に変換する機構によってレンズの直進動作を実現した。この機構を活用することで、レーザー照射点を1 m以上の距離にわたって移動することができる。また、共軸のカメラによって得られる試料画像のコントラストが最大になる位置を合焦点と判定する手法を用いて、レーザー照射のピント合わせが成立することを確認した。また、宇宙用駆動部つき光学系を製作して、光学性能試験、駆動性能試験、熱真空試験、振動試験、衝撃試験を実施した。その結果、いずれも問題がないことが確認された。 本研究により、小型レーザー発光分光装置の設計解が得られ、かつ最も重要で技術的困難が予想された駆動部の宇宙向け実証が完了した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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