2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theory on planetary-atmosphere acquisition and evolution during planet formation
Publicly Offered Research
Project Area | Aqua planetology |
Project/Area Number |
20H04612
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 浩 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (40422761)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 惑星形成 / 水輸送 / 地球型惑星 / 原始惑星系円盤 / 微惑星 / 小石 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽系では、太陽に近い内側の軌道では岩石が主成分の惑星があり、木星以遠の固体の主成分は氷である。地球のように水に富む表層環境を形成するためには、地球形成後に程々の水の獲得が必要である。本研究では、惑星系外側での氷天体の地球への輸送過程について調べる。 惑星形成に伴う地球型惑星への水の輸送は、時期によって異なる。惑星形成前期では、小石サイズの氷天体がガス抵抗により角運動量を抜かれて、地球型領域に移動する効果が重要である。そのため、小石サイズの氷天体形成を検証する研究をおこなった。そこで、ダストの衝突成長を取り扱い、惑星までの衝突進化を調べるコードを開発した。ダストの衝突進化の結果、ダストの衝突成長は原始惑星系円盤の内側から起きて、外側に伝搬していく。小石サイズの天体の出現は、円盤の内側から外側に移動していく。このような小石形成が非常に早い段階で起きていることを、原始惑星系円盤の観測から確認し、この内容を論文にまとめた。 また、惑星形成の後半では、すでに形成されている木星や土星による重力散乱が重要になる。この効果を調べるために、微惑星円盤と木星、土星を模擬した多粒子N体シミュレーションをおこなった。その結果、微惑星の散乱されて、近日点が小さくなると、原始惑星系円盤のガス抵抗により離心率が下がって、内側に落ち着くことがわかった。微惑星が落ち着く場所が、原始惑星系円盤の残留ガス量に応じて決まることもわかってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
惑星形成の前半を取り扱うシミュレーションのコード開発は滞りなく進んでいる。その結果、非常に興味深い結果が得られた。一方、種々のパラメータサーベイが必要なことが必要なことがわかってきた。また、この惑星形成前半のシミュレーションの結果は、惑星形成後半のシミュレーションの初期条件にも影響するため、こちらのシミュレーションでもさらに広いパラメータスペースを調べる必要性が出てきた。また、これらの結果を国際的にアピールしたいがコロナ禍で機会を得ることが難しくなっている。そのために、進捗状況はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
惑星形成前半のシミュレーションは小石の振る舞いにも重要だが惑星形成で最も重要であるために、このまま進めていく。惑星形成の後半のシミュレーションは、初期条件が変わっても対応できるように、解析的なアプローチも加えて研究を進めていく。
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