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2020 Fiscal Year Annual Research Report

氷衛星類似環境に生きる微生物の生命代謝とその制約

Publicly Offered Research

Project AreaAqua planetology
Project/Area Number 20H04620
Research InstitutionJapan Aerospace EXploration Agency

Principal Investigator

鈴木 志野  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (10557002)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords蛇紋岩化反応 / エンセラダス / メタゲノム
Outline of Annual Research Achievements

土星の衛星エンセラダスには、海水と分子状の水素が存在することが突き止められ、エンセラダスにおける水素は蛇紋岩化反応の結果であると推定された。蛇紋岩化反応が支える生命に関しては、エネルギー論に基づく理論研究などから「メタン生成菌がいる可能性がある」といった仮説が提唱されてきたが、地球における強アルカリ性・超還元性の蛇紋岩湧水のゲノム解析では、メタン生成菌はほとんど検出されず、未知の代謝経路・生存戦略を持つ生命が多く存在することが明らかとなった。このことは地球においてさえ蛇紋岩化反応に支えられる生命の理解が未熟であることを示した。
本研究では、陸性オフィオライトThe Cedars(米国)、Voltri Massif(イタリア)、Santa Elena Ophiolite(コスタリカ)、陸性陥入岩体Cabeco de Vide(ポルトガル)、浅海熱水鉱床Prony Bay(ニューカレドニア)、深海マリアナ蛇紋岩泥火山(マリアナ前弧)で、同じ蛇紋岩化反応に伴う強アルカリ環境であるが、それぞれの存在する環境、深度、反応する水(天水・海水)が違うため、地球化学的特性が異なる。これらのサイトから、Metagenome Assembled Genome(MAG)の抽出を網羅的に行った。本解析で抽出できたMAGは100程度で、それらに関し、現在、その品質等を明らかにし、来年度はその比較解析を進める。今回、明らかになったことは、蛇紋岩化反応サイトにおいては、少なくとも、分類系統学的には、非常に類似した微生物群集が存在することである。今後のより詳細なゲノム解析により、全体像が見えてくることが期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、ゲノム情報の抽出に関しては良好に進んだ。6つのサイトから抽出したゲノム情報の比較解析は今後の課題となるが、非常に類似したゲノムが複数のサイトから抽出された。よって、この環境に共通して、特有に生きる微生物が存在することが明らかとなった。一方で、コロナ禍で、米国でのサンプリングが不可能であったため、米国The Cedarsにおいて、新たなサンプル採取し、地球化学的解析を行うことはできなかった。本件は来年度も行うことは難しいと考えられるので、The Cedarsではなく、マリアナ蛇紋岩海山における地球化学的解析を中心に進めていく。

Strategy for Future Research Activity

比較ゲノム解析は、順調に進んでおり、本解析を進めていく。これら比較ゲノム解析から得られた結果を、来年度以降、学会等で発表していく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 極限環境微生物から読み解く地球外生命の可能性2021

    • Author(s)
      鈴木志野
    • Organizer
      第31回 自然科学研究機構シンポジウム
    • Invited

URL: 

Published: 2021-12-27  

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