2021 Fiscal Year Annual Research Report
リオトロピック液晶共連続キュービック相の電子密度情報に基づく構造形成原理の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Discrete Geometric Analysis for Materials Design |
Project/Area Number |
20H04634
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岡 俊彦 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (60344389)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リオトロピック液晶共連続キュービック相 / 三重周期極小曲面 / 結晶学的位相問題 / 位相復元法 |
Outline of Annual Research Achievements |
両親媒性分子と水からなるリオトロピック液晶共連続キュービック相は、三重周期極小曲面によく似た構造を形成する。この構造が内包する現象を理解することを目的に研究を行った。リオトロピック液晶共連続キュービック相は、三重周期極小曲面様構造を持つ。このため多くの研究でX線回折測定は行われるが、液晶相の決定のみに用いられ、それ以上の電子密度情報を得ることはほとんどない。これはX線回折では、構造因子の振幅は求まるが位相は求まらない、いわゆる位相問題のためである。この問題を解決するために、二つの位相復元手法を開発した。一つ目は昨年度から継続して開発した、指標に基づく復元法である。リオトロピック液晶共連続キュービック相は、構造的な乱れのため、観測される独立な反射の数が少ない。また中心対称性を持つため、位相が0かπに限定される。この特徴を用いてすべての位相組み合わせで電子密度を計算し、指標が小さいときに正しい位相組み合わせに近くなることを示し、位相復元が可能となった。この研究に関する論文は投稿中である。二つ目は、反復を用いた復元法で、独立な反射の数が多く、中心対称性の無い構造でも使用できる。位相の信頼性の高いテストデータを用いて位相復元を試したところ、半分以上で制約なしで位相を復元することができた。残りについても、体積分率、実数構造因子などの制約を課すことで位相が復元できた。これらの手法を用いて、リオトロピック液晶共連続キュービック相や他の系においても構造解析を進めている。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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