2021 Fiscal Year Annual Research Report
人工原子ネットワーク構造における物性・機能のトポロジー的解釈と制御
Publicly Offered Research
Project Area | Discrete Geometric Analysis for Materials Design |
Project/Area Number |
20H04645
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70261196)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イジング問題 / 固有値問題 / ネットワーク / 磁性粒子 / パーシステントホモロジー / 弾性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元連成振動子モデルによるイジングスピン問題の解探索:N×Nイジングスピン系を、それと等価な連成振動子系として固有値問題に置き換えることによって高速に最適解を探索する手法を考案した。固有ベクトルの成分、すなわち各振動子の振幅の2次元マッピングを通じて、フラストレーションが固有モードの「節」に集中する(周囲との4つの隣接結合のうち3つ以上が満たされていない状況)ことを見出した。このフラストレーションの局在化により、当該振動子の振幅符号を単に反転させるだけでフラストレーションを一気に解消できることが明らかとなった。ベンチマークとして、最適解を得るまでに要する計算時間をシミュレーテッドアニーリングと比較したところ、約3倍の高速化が達成された。フラストレーションを局在化し、適度に良い解を得る本手法は、時々刻々変化する問題に対してロバストな指針を提供することができ、現実世界での最適化問題への適用が期待される。 磁性粒子によるラビリンス構造の形成と力学的特性の評価:磁性粒子を、高さがその直径の1.5倍程度の2次元スリットに閉じ込め、垂直磁場を印加することにより、ラビリンス構造を形成した。座屈的な1次元配列が安定な構造となるが、1次元配列同士は反発するので、自律的にラビリンス構造形成に至る。1次元配列の安定性と反発のバランスを磁場の強さによって制御した。実験と並行して動力学的シミュレーションを実施した。自律的に形成された構造の特徴をパーシステント・ホモロジーによって解析し、さらに特徴量を抽出した。粒子を2次元的にも閉じ込め、その閉じ込め領域サイズの関数として特徴量をプロットすると、磁場の強さに応じて、収縮と拡張の往復過程においてヒステリシスや可塑性が生じることを見出した。この結果は、磁性粒子を包埋した3次元構造が弾性体としてそのような特性を有することを示唆している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)