2020 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Functional Soft Crystals Based on Pillar-Shaped Macrocyclic Compounds Exhibiting Selective Response to Weak Stimulus
Publicly Offered Research
Project Area | Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Felxibility and Higher-Ordering |
Project/Area Number |
20H04670
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生越 友樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (00447682)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ピラー[5]アレーン / ソフトクリスタル / イオン間相互作用 / 水素結合 / 安息香酸 / アルキルアミド基 / 液晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)多重水素結合ネットワークが変化するソフトクリスタル アミド結合のような方向性を有する水素結合部位を導入して形成されるソフトクリスタルは、外部からの圧力により水素結合ネットワークが変化する。ピラー[5]アレーンは官能基化が容易であるという特徴を生かし、両面に分子間水素結合が可能なアルキルアミド基を導入したピラー[5,6]アレーンを合成した。その結果、興味深いことにアルキルアミド基の導入によりサーモトロピック液晶を示した。ピラー[5]アレーン、ピラー[6]アレーン共に同様の液晶相が発現したが、ヘキサゴナルな形状のピラー[6]アレーンのほうが密に詰まった液晶相を示すことを見出した。またアルキルアミド基の長さが液晶相の縦方向の相間距離と一致することから、アルキルアミド基の長さを調整することで液晶相の相間距離をチューニングできることを見出した。 2)ピラー[5]アレーンの片面修飾により水素結合・イオン間相互作用により連結させたディスクリートなチューブ状多量体の創成 ピラー[5]アレーンの片面に安息香酸部位を導入したピラー[5]アレーンを合成した。得られたピラー[5]アレーンは、濃度上昇に伴って安息香酸の二量化によりチューブ状ダイマーを形成することを見出した。単結晶構造解析からもダイマーを構造を形成していることが明らかとなった。ダイマーに両末端にアミノ基を有するピラー[5]アレーンを混合すると、イオン間相互作用の形成によりチューブ状トリマーを形成することも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アルキルアミド基の導入により、当初予想していなかった液晶性を発現することを見出した。また逐次的にディスクリートなチューブ状ダイマー、トリマーを形成することができた。これより本研究課題は当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)蒸気吸着により液晶と結晶の状態変化を示すソフトクリスタルの開発を目指す。アルキルアミド基を導入したピラー[5]アレーンについて、液晶状態のピラー[5]アレーンをゲスト蒸気に曝す。液晶状態のピラー[5]アレーンはゲスト蒸気を吸着すると予測される。ゲスト蒸気吸着後の液晶性について検討する。 2)ピラー[6]アレーンは、分岐・環状炭化水素蒸気を結晶に取り込むことから、不斉炭素を有するキラルな炭化水素蒸気も取り込むことが予測される。実際に予備的な研究から、リモネンのようなキラル炭化水素蒸気を取り込むことが分かっている。またピラー[n]アレーンには、ベンゼン環に置換したアルコキシ基の位置により、面不斉が存在する。溶液中では、ユニットの回転によりS体とR体は交換しているが、嵩高い不斉炭素を導入することで、その面不斉が一方に偏る。そこで、嵩高い不斉炭素を導入したピラー[6]アレーンを新たに合成する。その後、不斉炭素を導入したピラー[6]アレーン結晶をS体とR体それぞれのキラル蒸気に曝し、選択的に吸着されるかを調査する。またフッ素鎖を有するピラー[n]アレーンを合成する。ピラー[n]アレーンの特性は空孔上下に導入する置換基に大きく依存する。フッ素鎖を導入することで、親フッ素性が向上すると期待され、フルオロ蒸気の吸着が期待できる。
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Research Products
(12 results)