2020 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性金属ソフトクリスタルの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Soft Crystals: Science and Photofunctions of Easy-Responsive Systems with Felxibility and Higher-Ordering |
Project/Area Number |
20H04683
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
楽 優鳳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (00784109)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 金属ナノシート / 二分子膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、二分子膜を用いることによって、サイズや形状の制御された極薄単結晶金属ナノシートを簡便に合成する方法を提供する。また、極薄単結晶マイクロスケール金属ナノシートから、実際に手に取って使える自立型積層構造を持つ金属ソフトクリスタルを開発する。 1.規則的な二分子膜層構造をソフトテンプレートとして用いた金属ナノ材料の成長制御 二分子膜層状構造は、水中の界面活性剤分子が自己集合して形成された二層膜から構成されている。これまで、水、ハイドロゲル、ポリマーの中で層状構造を持つ機能材料が開発されてきた。これらの研究に基づいて、二分子層構造材料から派生した新規ソフト機能材料を創生できると考えた。そしてこの有機二分子層構造材料を無機金属材料の異方性成長を制御するためのソフトテンプレートとして使用できることを見いだした。この二層膜構造を利用して、金属イオンを還元し、膜表面にミクロスケールサイズの金ナノシートを形成した。合成された金ナノシートは、プレートの直径aと厚さbの比率(a/b)によって特徴づけられる大きな形状異方性を持っている。二分子の層間距離、温度や原料濃度比等を制御して、合成される金属ナノシートの形状と大きさを種々の顕微鏡等を用いて評価した。 2.ソフトテンプレートとして二分子膜層膜を用いた二次元金属ナノ材料の合成 この方法をさらに発展させて、他の金属ナノ材料の合成にも応用できる。ここでは、電気伝導性の高い二次元金属ナノ材料の合成に成功した。反応の過程で金属イオンが還元され、膜表面に二次元の金属ナノシートが形成される。その結果、反応初期にはナノポーラス構造を示し、その後徐々にポーラス構造が消失していくことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
規則的な二分子膜層構造をソフトテンプレートとして用いた金属ナノ材料の成長制御を実現した。また、ソフトテンプレートとして二分子膜層膜を用いた二次元金属ナノ材料の合成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
溶媒界面でのナノシートの自己組織化を利用して規則的積層構造を持つ金属ソフトクリスタル構造体の形成を実施する。自己組織化により形成された金属ソフトクリスタル集合体について、走査電子顕微鏡、X線回折等を用いて構造を分析する。金属ソフトクリスタルについて弱い力学刺激で容易に構造変換によって導電率の変化の相関性を評価する。
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Research Products
(3 results)