2020 Fiscal Year Annual Research Report
KAGRAにおけるリアルタイムモニタリングのための高精度重力波検出技術の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
20H04732
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 昌也 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (00807844)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Non-harmonic Analysis / 超精度解析 / 時間―周波数空間 / ディープラーニング / 特徴抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
フーリエ変換(FFT)に比べ大幅な精度向上が見込まれるNHA(Non Harmonic Analysis)を用いて、重力波検出・解析システムに関して、総合的なセンシング能力や情報解析技術の精度向上に資する重力波信号解析技術の開発を目的として研究を行った。本研究では、NHAによる高精度解析情報から、クラスタリングによって特徴量を抽出し、ディープラーニングで機械学習し重力波信号とノイズ信号を分類することで、NHAによる重力波信号の検出精度向上について検討した。 令和2年度では、NHAによる超高精度時間―周波数空間から、計測信号の特徴抽出を行うクラスタリング技術の開発を行った。超高精度時間―周波数空間において、解析窓長や時間周波数パラメータの最適化により、ガウスノイズがショートワーム形状となることに着目し、ガウスノイズが有する形状特徴をラベリングすることで、機械学習を用いたガウスノイズ特徴の抽出を行った。シミュレーション実験では、コンピュータ上で作成したガウスノイズに対し、600枚のラベリング画像を用いて差分学習を行い、重力波とガウスノイズが混合した100枚の画像からガウスノイズのみを抽出し、PSNRが10dB 以上改善することを確認した。これらの成果に関して、日本物理学会第76回年次大会において発表を行った。 さらに、超精度時間―周波数空間のガウスノイズ抽出結果を基に、ディープラーニングを用いたガウスノイズ除去システムの開発に一部着手しており、計測信号から重力波を抽出する技術について検討している。ノイズ除去を基に重力波を検出するシステムを構築することで、テンプレートでは発見することが困難な、未知の重力波の発見に対して有効なシステムを構築できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超高精度時間―周波数空間からの特徴抽出技術の開発は予定通り進んでいる。ガウスノイズの形状特徴を基に分類を行うことで、重力波だけでなくラインノイズやグリッチといった、ガウズノイズ以外の信号特徴が残存することを確認している。 ディープラーニングを用いたガウズノイズ除去システムの開発に一部着手しており、計測信号をNHA解析し、時間―周波数空間の任意特徴をディープラーニングで学習しノイズ除去を行うシステムの構築を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ディープラーニングを用いた時間―周波数空間のノイズ除去システムの開発を継続する。 また、重力波の検出精度について、異なるノイズ環境下を想定した実験を行い、数値評価を行う予定である。さらに、実際の計測データに含まれるノイズや観測された重力波を用いたノイズ除去システムの評価も行う予定である。
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