2020 Fiscal Year Annual Research Report
重力波の電磁波対応天体を観測するための可視光・近赤外線多色同時撮像カメラの製作
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
20H04734
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森鼻 久美子 名古屋大学, 教養教育院, 講師 (50640843)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 重力波 / 可視光 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年8月に検出された重力波GW170817は、中性子合体による重力波の初めての電磁波対応天体であった。南アフリカ天文台IRSF望遠鏡で、この電磁波対応天体の近赤外線での光度変化、色変化を観測し、理論モデルとの比較からrプロセスで生成される重元素が生成された可能性が示 唆された。しかし、可視光と近赤外線データに時間的な同時性がないため、短時間での色変化は分からなかった。 そこで本研究では、重力波源の電磁波対応天体の可視近赤外線同時観測をIRSF望遠鏡で可能にするシステムを構築する。IRSF望遠鏡の近赤外線3波長同時観測カメラ(SIRIUS)に可視カメラを搭載し、可視近赤外線5バンド同時撮像観測を可能にする。 既存のSIRIUSと併用し可視光カメラを運用するため、IRSF望遠鏡とSIRIUSの間の空間 (高さ方向12cm) に設置可能であること、SIRIUSと同程度の視野とピクセルスケールを実現する光学系であること、IRSFの典型的なシーイング (1.5 arcsec) より良い結像性能の達成が可視光カメラ設計上の条件として考えられる。そこで本研究では、このサイズ制限を満たすように自身で可視光カメラを開発する。2020年度までに、イメージセンターとしてSIRIUSと同程度の視野を得ることができるオン・セミコンダクター社製のKAF-1001を2台使用することを決定し、光学デザインを行った。2021年度は、光学シミレーションを行い、光学イメージがIRSFの典型的なシーイングサイズ (1.5 arcsec) 以下になることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度後半に、申請者が出産に伴い産休育休を取得したため、予定していた作業を全て進めることができず、光学デザインと機械デザインの一部までの完成となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、レンズホルダー、真空容器のメカニカルデザイン、CCD冷却システムの製作等を行い、カメラの組み立て等を行い、完成に近づけていく。また、南アフリカIRSF望遠鏡に取り付けた際の限界等級等のシミレーション等も同時に進めていく。
|
Research Products
(1 results)