2021 Fiscal Year Annual Research Report
重力波源となる大質量星連星の形成条件とその母銀河との関係解明
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
20H04739
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
小林 将人 国立天文台, 科学研究部, 特任研究員 (10837454)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分子雲形成 / 低金属量 / 磁場構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
重力波天文学の幕開けにより,ブラックホール合体・中性子星合体イベントが検出され始め,今後その検出頻度が一層増加すると期待されている. こうしたコンパクト天体の合体イベントは,母天体が大質量星連星である.したがって大質量星連星の形成を調べる理論研究が, 重力波観測から連星系の形成機構に制限をつけるために必須である.またこれらの大質量星連星は,宇宙の金属汚染がまだ進んでいない宇宙年齢初期に形成されたと考えられる.低金属量環境での星形成を理解することは,天の川銀河の形成史の理解にも極めて重要である. しかし低金属量環境(中・高赤方偏移銀河) で大質量分子雲・コア (大質量星連星の母体) が形成される条件は,未解明である.そこで本研究では低金属量環境下での分子雲形成・大質量分子雲コア形成の条件をシミュレーションから解明を目指していている.本年度は太陽金属量から0.2太陽金属量程度の範囲の銀河環境を対象とし,分子雲の材料となる水素原子ガスが銀河内で集積する様子を調べる,理想磁気流体シミュレーションを実行した.様々な銀河環境を対象に実行した結果,大質量分子雲・コア形成の効率が,磁場の構造に依存する可能性を明らかにした.すんわちこれまで議論されれてきた紫外光照射状況での分子雲永続可能性以外にも,そもそも分子雲の形成確率に条件が存在していることを意味している.これは天の川銀河の歴史の初期段階において,銀河衝突など高速なガス圧縮が重要であった可能性を示唆している.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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