2020 Fiscal Year Annual Research Report
超新星爆発の後期ニュートリノについての包括的理論研究
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
20H04747
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
諏訪 雄大 京都産業大学, 理学部, 准教授 (40610811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超新星爆発 / ニュートリノ / 中性子星 |
Outline of Annual Research Achievements |
超新星爆発は、大質量星がその一生の最期に起こす大爆発である。その爆発機構はいまだ大きな謎のまま残されている。なぜなら、超新星の瞬間は既知の全ての相互作用(重力、電磁気力、強い力、弱い力)が全て重要な働きを及ぼす極めて複雑な状況が実現されているためである。一方、超新星の瞬間には多種多様な信号が発生する。したがって、超新星はマルチメッセンジャー観測の絶好のターゲットである。銀河系内で起これば、ニュートリノと重力波を駆使して爆発機構に迫ることが可能となるだろう。しかし、爆発直後(1秒以内)は様々な流体不安定性に代表される物理過程が複雑に絡まり合っており、定量的な予言を行なうことが非常に困難である。そこで、本公募研究では爆発開始後1秒以降のニュートリノ放射に着目し、定量性の高い理論モデルを構築することを目標とする。また、実際に超新星が起こったときに実験データ解析に活用できるパイプラインを作成する。初年度は、主に以下の2つの研究に進展があった。 1. 原始中性子星からのニュートリノ放射の解析的モデル化を行い、数値計算結果と整合的なニュートリノ光度および平均エネルギーの時間発展を記述する解析的な表式を導出した。 2. 重力崩壊から爆発後20秒まで一貫した超新星シミュレーションを行い、長時間ニュートリノ発展の新しい数値モデルを構築した。また、この数値モデルをもとにモックサンプリングを実行し、統計誤差を取り込んだデータ解析手法の構築を進めた。 新型コロナウイルスの蔓延により年度末の学会がオンライン開催となり旅費が不要となったため、未使用金が発生した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、ニュートリノ光度曲線の解析モデル構築とモックデータ作成に関する論文を出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
データ解析の基礎的な枠組みを作ることができたので、今後は理論モデルの精緻化およびパラメータ空間の拡大を行う。具体的には、原始中性子星冷却計算では無視していた流体効果を適宜取り込むことや、解析的モデルの精密化である。
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Research Products
(7 results)