2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of supernova gravitational waves toward the era of gravitational-wave astronomy
Publicly Offered Research
Project Area | Gravitational wave physics and astronomy: Genesis |
Project/Area Number |
20H04748
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
中村 航 福岡大学, 理学部, 助教 (60533544)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超新星爆発 / 数値シミュレーション / 重力波 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前の超新星の系統的研究(K. Nakamura, T. Takiwaki, T. Kuroda & K. Kotake (2015) PASJ, 67, 107)で用いたコードをアップデートし、ミュー型およびタウ型ニュートリノの輸送計算にもIDSAと呼ばれる先進的近似法を適用した。さらに最新のニュートリノ反応率(K. Kotake, T. Takiwaki, T. Fischer, K. Nakamura, G. Martinez-Pinedo (2018), ApJ, 853, 170)を採用し、SN 1987Aに対応する連星進化親星モデル(T. Urushibata, K. Takahashi, H. Umeda, T. Yoshida (2018) MNRAS 473, L101)および星内部の非球対称構造を考慮した25太陽質量親星モデル(T. Yoshida, T. Takiwaki, K. Kotake, K. Takahashi, K. Nakamura, H. Umeda (2019) ApJ, 881, 16)に対して空間3次元の重力崩壊計算を実行した。3通りの初期条件で計算した結果、全てのモデルで衝撃波が復活した。得られた重力波シグナルの中に、これまでの超新星重力波の解析でよく見られた約1000 Hzのgモード成分とは独立に、周波数約200Hzの重力波信号成分を発見した。これは半径数十kmの原始中性子星内部に存在する対流構造に起因すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数値シミュレーションに使用するコードをアップデートし、最新のニュートリノ反応率(K. Kotake, T. Takiwaki, T. Fischer, K. Nakamura, G. Martinez-Pinedo (2018), ApJ, 853, 170)を採用したところ、特にニュートリノ間散乱とニュートリノペア反応の反応率の計算量が大きく、1モデルあたりの計算コストが増加した。また当初は計算領域を中心から5000kmに限定して計算量を削減する方針であったが、これでは衝撃波の復活が早いモデルの場合すぐに衝撃波が計算領域の外境界に到達してしまう。超新星重力波は衝撃波が復活する前に強く放出されるので、本研究の目的のみに限れば当初の方針でも構わないのだが、解析結果を将来的に爆発的元素合成計算等に応用する可能性を考慮して、計算領域を10000kmに拡大した。その結果、1モデルあたりの計算コストが当初の計画の約2倍になり、1年間に実行可能な計算モデル数が6モデルから3モデルに減少した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き重力崩壊型超新星の空間3次元数値シミュレーションを継続する。最先端のセットアップにしたことによって計算コストは増加したが、得られる成果は大きい。初期条件の選定には、観測からの制限が不明瞭な回転速度に拘らず、幅広い親星質量を網羅することを優先する。初年度に実行した計算の初期条件は比較的大質量の親星を採用したため、今後は軽い親星モデルに対して重力崩壊計算を実行する。初期条件としての親星モデルは最新のもの(Sukhbold et al. (2016), ApJ, 821, 38; Sukhbold et al. (2018), ApJ, 860, 93)を使用する。 後半の1年間で可能な限り計算モデル数を増やし、同時に超新星重力波データの解析を進める。
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Research Products
(5 results)