2020 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical Communication between Marine Natural Products and Cytoskeleton
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
20H04764
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系(副学長), 副学長 (90169839)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アプリロニンA / アクチン / チューブリン |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋天然物アプリロニンAは化学シグナルとして働くことにより、二大細胞骨格タンパク質であるアクチンとチューブリンのタンパク質間相互作用を誘導し、生成したこれらの三元複合体が鍵となって前例のない強力な抗腫瘍性を発現する。本研究では、主にこの海洋天然物により誘導されるタンパク質間相互作用の詳細を解析し、生成する三元複合体の構造と機能(化学コミュニケーション )を理解することにより、同様の活性を持つ有用な生物活性リガンドの創製を目的とする。 アプリロニンAと同様のタンパク質間相互作用を誘導する簡略化アナログを設計し、合成した。この結果、合成工程数を削減したアナログにおいて、天然品と同様の作用機序による腫瘍細胞増殖阻害活性を再現することができた。また、アミノ酸部位の構造活性相関研究を実施し、トリメチルセリンエステル基の重要性を確認した。 これらの知見を用いた新たな分子設計によるプローブ分子の開発を行う。 アプリロニンAと同様なアクチン脱重合活性を示す海洋天然物であるスウィンホライド・イエジマライド・サイトファイシンの側鎖部および類似の人工類縁体を設計・合成し、3種の新規アクチン脱重合分子を創出した。ある程度の活性を持つ分子について、活性の増強を図る。 α-ピロン骨格を持つフェリグリジン類についての統一的な化学合成法を確立するとともに、天然物のヒドロキシ基、骨格中の芳香環などに注目した各種アナログを合成して構造活性相関研究を行った。その結果、細胞毒性発現に重要な部位を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画した人工類縁体は合成できたが、生物活性が予想よりも弱かったため、構造の改変が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
人工類縁体の生物活性を増強させる分子設計と合成を行い、それらを用いた化学コミュニケーション解析を行う。
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