2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of unnatural analogues of cardiac steroids for understanding attraction responses of invasive species and controlling its populations
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
20H04771
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
中崎 敦夫 岩手大学, 理工学部, 教授 (00366428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 強心ステロイド / 外来生物 / オオヒキガエル / 構造活性相関 / 誘引活性 / 化学合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オオヒキガエルの誘引現象の理解と駆除を最終目的として、i) ブファジエノリド群の合成、およびii) 誘引活性と毒性評価を指標とする構造活性相関研究、という2点について検討する。これにより、誘引活性の発現部位の特定や毒性との関係の解明とともに、環境負荷が小さく、駆除に利用可能な構造単純化アナログ(非天然型アナログ)の創出を目指す。本年度は、1) 強心ステロイド類の自在合成法の開発、2) 鍵中間体を利用した強心ステロイドの全合成への展開、および3) 外来生物への誘引現象を引き起こすエストロゲン様天然物の合成を検討した。 1) 強心ステロイド類の自在合成法の開発: 我々は、多様な酸化様式をもつ強心ステロイドの母骨格を自在合成する目的で、ラセミ体の鍵中間体の合成法を確立している(Org. Lett. 2019, 21, 7410)。今回、従来法(J. Org. Chem. 2017, 82, 9097)を改良し、光学的に純粋なCD環セグメントを25 g程度合成できるようになった。また、これを用いることで鍵中間体を数g程度合成する方法の開発に成功した。 2) 鍵中間体を利用した強心ステロイドの全合成への展開: 前述の鍵中間体が十分な汎用性をもっているのかを明らかにする目的で、抗腫瘍活性を有する強心ステロイドcannogenolの全合成に展開した。鍵中間体の各環に配置された、酸素官能基化の足掛かりとなる官能基の反応性を理解しながら、cannogenolの全合成を達成した。現在、この鍵中間体を用いて、オオヒキガエルの誘引物質の全合成を検討中である。 3) 外来生物への誘引現象を引き起こすエストロゲン様天然物の合成: 侵略的外来生物として知られているウミヤツメに対する誘引物質の構造確定と誘引機構の解明を目指し合成を行なった。今回、3-O-メチル体の14β-および14α-アルコールの合成を達成した。また、スペクトルデータの比較から14α体が天然物であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は、独自に開発した強心ステロイドの鍵中間体を数g程度合成する方法の開発に成功し、2-ピロンの構築法の開発も現在いくつか進行中である。また、鍵中間体反応性の理解も進んでいる。以上のことから、目的のブファジエノリドの合成に向けて比較的順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
天然型ブファジエノリドの合成に向けて鍵中間体の反応性の理解を目指す。また2-ピロンの構築法では、直接導入のほかに、分子内のラジカル反応や電子環状反応を利用した別法も計画しており、これらを順次検討し構築法開発の完遂を目指す。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Biosynthesis of Indole Diterpene Lolitrems: Radical-Induced Cyclization of an Epoxyalcohol Affording a Characteristic Lolitremane Skeleton2020
Author(s)
Yulu Jiang, Taro Ozaki, Mei Harada, Tadachika Miyasaka, Hajime Sato, Kazunori Miyamoto, Junichiro Kanazawa, Chengwei Liu, Jun-ichi Maruyama, Masaatsu Adachi, Atsuo Nakazaki, Toshio Nishikawa, Masanobu Uchiyama, Atsushi Minami, Hideaki Oikawa
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Journal Title
Angew. Chem. Int. Ed.
Volume: 59
Pages: 17996-18002
DOI
Peer Reviewed
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