2020 Fiscal Year Annual Research Report
Screening of lipid-recognizing natural ligands towards elucidation of lipid-related chemical communication
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
20H04781
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松森 信明 九州大学, 理学研究院, 教授 (50314357)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂質 / 化学コミュニケーション / 脂質ラフト |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質ラフトは細胞間化学コミュニケーションのプラットフォームとして機能する。また生理活性脂質の医薬品展開を目指した研究も行われている。このように、脂質は細胞膜における化学コミュニケーションを媒介するだけでなく、脂質そのものが生理活性を有する化学コミュニケーションの担い手でもある。一方で、生理活性天然物リガンドには脂質を認識するものが数多く見出されており、薬剤や分子プローブとして用いられている。松森はこれまで、脂質と膜タンパク質の相互作用解析を目的に脂質固定ビーズを調製し、脂質特異的タンパク質の取得を行ってきた。この脂質固定ビーズが、脂質特異的タンパク質の探索ばかりでなく、脂質を認識する天然物リガンドの探索にも役立つのではないかと考え、本研究を着想した。このようにして脂質認識能を有する天然物リガンドを探索し、それらを創薬シーズや脂質を標識する化学プローブとして利用することを目的とする。 2020年度は、脂質ラフトの構成脂質でありかつ生理活性も強いスフィンゴミエリンやセラミド、スフィンゴ糖脂質などのスフィンゴ脂質を固定化したビーズを調製し、脂質認識天然物リガンドのアフィニティー精製を行った。天然物のソースとして、アンフィジノール類など多くの特徴的な二次代謝産物を生産する渦鞭毛藻の抽出物を検討した。その結果、質量分析においてスフィンゴミエリンやセラミドに特異的な天然物と思われるシグナルを確認した。また、渦鞭毛抽出液以外に、天然物ライブラリーを天然物ソースとして用い、同様に検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スフィンゴ脂質を固定化ビーズの調製、およびそれを渦鞭毛藻抽出液に作用させることで、脂質特異的と思われる天然物の質量分析ピークを得られたことから、本研究の起点となる重要な結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
渦鞭毛藻抽出液の質量分析においてスフィンゴミエリンやセラミドに特異的な天然物と思われるシグナルを確認したことから、この化合物を申請者らが開発した表面プラズモン共鳴法による脂質-天然物相互作用解析法に供し、脂質との特異的相互作用の有無を確認する。脂質特異性が確認され次第、渦鞭毛藻から十分量を単離し、NMRを用いた構造決定を行う。また、渦鞭毛抽出液以外に、天然物ライブラリーを天然物ソースとして用い、同様に検討を行う。 また脂質認識天然物リガンドは膜作用があると期待されることから、膜透過試験、溶血試験、細胞毒性試験なども検討する。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Defining raft domains in the plasma membrane2020
Author(s)
Kusumi Akihiro、Fujiwara Takahiro K.、Tsunoyama Taka A.、Kasai Rinshi S.、Liu An‐An、Hirosawa Koichiro M.、Kinoshita Masanao、Matsumori Nobuaki、Komura Naoko、Ando Hiromune、Suzuki Kenichi G. N.
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Journal Title
Traffic
Volume: 21
Pages: 106~137
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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