2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the functions of quadruplex nucleic acids by integrative molecular profiling of chemical signals
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
20H04789
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
清宮 啓之 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 分子生物治療研究部, 部長 (50280623)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グアニン四重鎖 / テロメア / 天然化合物 / バイオプローブ / オミクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
グアニン四重鎖(G-quadruplex: G4)安定化物質(G4リガンド)であるテロメスタチンもしくはPhen-DC3を処理したヒト膵がん細胞のiTRAQプロテオーム解析により、これらのリガンドで共通して減少するタンパク質群を選別した。これらのうち、G4リガンドの作用点と想定されるG4形成配列を有する28個のタンパク質群を抽出し、さらにcBioPortalおよびDepMapプラットフォームのウェブ公開データベースを参照することで、遺伝子配列内にがん性のドライバー変異を有し、かつ、がん細胞の生存を支持すると想定される6つのタンパク質をG4リガンドの直接の標的候補因子として同定した。膵がん細胞をテロメスタチンもしくはPhen-DC3で処理すると、これらのタンパク質の発現レベルが実際に減少することをウェスタンブロット解析で確認した。以上の結果から、G4リガンドは上述の遺伝子群のmRNA上に形成されるG4構造を過度に安定化することで、当該転写産物からのタンパク質への翻訳を抑制し、制がん効果を発揮する可能性が示唆された。また、ミトコンドリアゲノムにはG4形成配列が豊富に存在することと一致して、同ゲノム由来の遺伝子発現はG4リガンドの影響を受け易いことが明らかとなった。このことから、G4は本来、ミトコンドリア遺伝子の発現を制御している可能性も示唆された。以上の結果を「化学コミュニケーション」の見地から考察すると、自然界に存在するテロメスタチン、ベルベリンなどの天然性のG4リガンドは、他の生物種のゲノムDNAもしくはRNA上のG4を安定化することで、当該因子の機能発現を抑制し、生存競争における優位性の獲得に貢献している可能性が考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)