2021 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜に会合する化学コミュニケーション分子の機能解明と計算分子設計技術の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Frontier research of chemical communications |
Project/Area Number |
20H04791
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
齋藤 大明 北陸大学, 薬学部, 准教授 (40506820)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分子シミュレーション / 分子モデリング / 自由エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,化合物やペプチドを含む生体分子の膜会合の分子メカニズムの理解には,化合物やペプチドだけではなく,それを取り囲む脂質膜も含めた動的構造や相互作用特性の理解が重要であるとの研究が多数報告され,多くの注目を集めている.抗真菌活性を有するヘロナミド類は飽和型の脂質膜にはタイトに結合する一方で,不飽和型脂質膜には弱く結合することが報告されている.このようなヘロナミドの脂質膜への結合特性の違いは,ヘロナミドと脂質膜内における結合構造や相互作用特性の違いによるものと考えられる.このような分子会合の膜特異性の理解には会合分子と脂質膜の動的構造や相互作用特性の評価が課題となるが,添加分子を含んだ混合脂質膜は実験観測の難しさのために,これら特性は未だ明らかではなく,分子シミュレーションによる解析が望まれている. 本研究では、実験により合成・評価されているヘロナミド類の脂質膜における分子動力学(MD)シミュレーションを実施し、ヘロナミド類の膜内結合特性を具体的に明らかにする。各々の化合物の膜内における結合位置や分子配向の違いを詳細に解析し、ヘロナミドの膜内における構造や凝集特性の違いについて議論した。自由エネルギー値の比較の結果,膜からの離脱のエネルギー障壁では、heronamide Aの弱い膜結合特性がPMF計算より示された。これらは生物活性の評価実験と対応する結果であり、シミュレーションやPMF計算の正当性を示す結果である。さらに本研究では、ヘロナミドCの構造異性体、コレステロールやエゴステロールを20%濃度におけるMD計算も実施した。各々の系における膜内の構造や安定性に関する解析をし、それぞれヘロナミドの分子構造の違いに起因する、膜内構造や安定性の違いが解析計算により明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] コロナチン立体異性体フォーカスドライブラリーを用いたジャスモン酸受容体サブタイプ選択的リガンドの開発2022
Author(s)
林 謙吾, 加藤信樹, 野本春菜, 中山美涼, Khurram Bashir, Andrea Chini, 高橋聡史, 齋藤大明, 渡部楽, 高岡洋輔, 田中真帆, 永野惇, 関原明, Roberto Solano, 上田実
Organizer
日本農芸学会2022
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