2021 Fiscal Year Annual Research Report
固体-分子ハイブリッド触媒による電子移動反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
20H04793
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩井 智弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (30610729)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 有機無機ハイブリッド触媒 / 共役分子 / 連結型ロタキサン構造 / シクロデキストリン / 光増感剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、固体と分子の特性を活かした化学反応場を設計し、高効率な電子移動反応の開発を目的としている。本年度は、金属酸化物の無機半導体特性を活かした不均一系触媒の開発を目指して研究を実施した。
有機分子と無機固体からなる有機無機ハイブリッド材料は、デバイスや触媒分野での利用が注目されている。π共役分子は、その電子移動効率から有機無機ハイブリッド材料の有機分子素子として有望であるが、π-π相互作用に起因した凝集体の形成が懸念される。研究代表者の所属グループでは最近、メチル化シクロデキストリンからなる[1]ロタキサン型π共役ホスホン酸アンカーを開発し、その被覆効果に基づき、金属酸化物表面に凝集のない有機無機ハイブリッド界面の形成を実現している。そこで、今回、光増感剤や可視光レドックス触媒への利用を指向して、連結型ロタキサン構造を有する有機無機ハイブリッド型ルテニウムポリピリジル錯体を設計・合成した。具体的には、メチル化シクロデキストリンとトラン骨格からなるアジド基含有ホスホン酸アンカーを酸化インジウムスズ(ITO)基板への担持し、続くエチニル基を有するトリス(2,2’-ビピリジル)ルテニウム錯体との銅触媒クリック反応により調製した。この修飾ITO基板のサイクリックボルタンメトリー測定において、Ru(II)-Ru(III)に帰属される可逆な酸化還元波が観測されたことから、基板上へのルテニウム錯体の導入が確認できた。また、原子間力顕微鏡観察では、基板表面に顕著な凝集体の形成は見られなかった。本修飾方法は、金属酸化物ナノ粒子にも利用できることから、今後の触媒利用が期待される。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)