2020 Fiscal Year Annual Research Report
金属触媒と有機触媒の高度ハイブリッド化によるC-H官能基化の自在立体制御
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
20H04794
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉野 達彦 北海道大学, 薬学研究院, 講師 (50756179)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ロジウム / 求核触媒 / 不斉触媒 / C-H活性化 / ホウ素触媒 / 有機触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主にキラル求核触媒と金属触媒を組み合わせたエナンチオ選択的な反応および、ホウ素触媒と金属触媒を組み合わせたラセミ反応の検討をおこなった。 様々な金属触媒、キラル求核触媒、配向基、反応剤を網羅的に検討したところ、ロジウム触媒と含窒素キラル求核触媒を用いた反応系において、最高99:1という極めて高いエナンチオ選択性を実現する触媒系を見い出した。このハイブリッド触媒系はこれまでにないコンセプトでCp*M(III)触媒によるエナンチオ選択性制御を実現したものであり、今後関連する反応系へと広く展開できると期待される。現在は反応収率の改善と基質一般性の検討をおこなっているところである。またDFT計算を用いて想定鍵中間体を構造を明らかにし、そのエナンチオ選択性の発現メカニズムや触媒系の改良に向けた知見も得ている。またラセミ反応においては、配向基の一般性についても検討を進めており、今後の不斉反応での展開に向けて、有用な知見を得ている。 ホウ素触媒を用いた系においては、金属触媒としてロジウム触媒を用い、ホウ素上の配位子や添加剤を詳細に検討した。その結果、ホウ素触媒による求電子剤の活性化を確認することができ、さらに配位子による顕著な加速効果が得られることを明らかにした。最適化した触媒、反応条件において2-フェニルピリジン類と不飽和カルボン酸との反応が高収率に進行し、広い基質一般性を示すことがわかった。 またその他に、領域内での共同研究としてキラル二核ルテニウム錯体の研究を進め、その電子的性質や触媒活性を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
求核触媒、ホウ素触媒のいずれにおいても順調に計画は進展し、今後につながる新規触媒系による反応を見出すことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続きキラル求核触媒を用いた反応系の最適化、基質一般性の検討をおこなっていくほか、キラルホウ素触媒を用いてエナンチオ選択性が発現するかどうかなどの検討を詳細におこなっていく予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 新規外輪型キラル二核Ru(II,III)錯体の創成と合成応用2020
Author(s)
熊谷悠平, 宮澤拓, 鈴木拓郎, 滝沢昂嗣, 菊池貴, 加藤俊介, 小野田晃, 林高史, 亀井宥治, 神山颯詩, 穴田仁洋, 小島正寛, 吉野達彦, 松永茂樹
Organizer
第10回CSJ化学フェスタ2020
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