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2020 Fiscal Year Annual Research Report

固体触媒表面での新規不斉反応場の創成とワンポット精密有機合成反応の開発

Publicly Offered Research

Project AreaHybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand
Project/Area Number 20H04799
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

田村 正純  大阪市立大学, 人工光合成研究センター, 准教授 (10635551)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords不斉水素化 / ケトン / アルコール / イリジウム / 酸化セリウム
Outline of Annual Research Achievements

均一系触媒に比べ、不均一系触媒である固体触媒を用いた不斉合成反応の例は非常に限られており、さらに、不斉合成をワンポット反応に組込んだ報告例はほとんどない。本研究では、キラル配位子を活性金属ではなく担体である金属酸化物に酸・塩基相互作用により導入し、活性金属周辺に集積させることで、固体表面に新規不斉反応場を形成することを目指す。さらに、金属酸化物の酸・塩基機能と不斉水素化を組み合わせたワンポット合成反応を実現する。
昨年度までの検討により、アセトフェノンの不斉水素化反応にイリジウムを酸化セリウムに担持させたIr/CeO2触媒に不斉配位子としてNOBIN(2-amino-2'-hydroxy-1,1'-binaphthyl)を組み合わせた触媒系が有効であり、触媒の還元+酸化前処理、溶媒としてジオキサンを選定することで高いエナンチオ選択性を与えることを明らかにした。本年度では、処理条件の異なるIr/CeO2+NOBIN触媒系の各種触媒構造解析(XRD, TEM, XPS, XAFS, TPRなど)を行い、触媒構造を明らかにした。さらに、配位子の吸着構造と選択性、活性との相関性についても議論した。一方、ワンポット反応の前段の反応であるマイケル付加反応に有効であることを見出しているモリブデン酸化物担持酸化セリウム触媒(MoOx-CeO2触媒)の構造解析を行った。触媒構造解析として、XRD, TEM, Raman, XPSを行った結果、高活性な触媒では酸化セリウム表面に孤立したモリブデン種が形成しており、酸化セリウムのみ、酸化モリブデンのみでは非常に活性が低いことから、酸化セリウムと孤立モリブデン種の界面が主活性サイトであることを見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ケトンの不斉水素化反応において、イリジウム担持酸化セリウム触媒(Ir/CeO2)+NOBIN(2-amino-2'-hydroxy-1,1'-binaphthyl)触媒の調製条件、反応条件、配位子の検討から、最適な触媒系を見出し、固体触媒と配位子から成る触媒系としては、比較的高いエナンチオ選択性を達成できている。また、Ir/CeO2触媒構造解析から、クラスターサイズのIr金属が形成され、NOBIN配位子がIrメタルクラスター表面に吸着することで、不斉反応場が形成され、イリジウムのみの広いメタルサイトが減少することで、高いエナンチオ選択性が発現することを明らかにした。一方、ジメチルマロネートと2-シクロヘキセン-1-オンのマイケル付加反応に有効なMoOx-CeO2触媒を見出し、触媒構造解析を行うことで酸化セリウム上に形成された孤立モリブデン種が高活性発現に寄与しており、均一強塩基触媒であるDBUよりも約1800倍高い活性を示すことも見出した。

Strategy for Future Research Activity

昨年度までの検討から、ケトンの不斉水素化反応において、Ir/CeO2+NOBIN触媒が固体触媒をベースとする触媒系の中で比較的高いエナンチオ選択性(約60%)を示すことはわかったが、まだ十分なエナンチオ選択性が実現できたとは言えない。Ir/CeO2触媒の構造解析から、低エナンチオ選択性の原因としてIrクラスターサイズが大きすぎる、もしくはIrクラスターサイズが不揃いなためと考えられた。
そこで、本年度は、Irの粒子サイズをコントロールした触媒を別途調製し、その可能性について検討する。特に、有機保護剤を用いて粒子径のそろったIrナノ粒子を作成し、粒子サイズの影響について詳細に検討する。一方、マイケル付加反応において、MoOx-CeO2触媒の活性種が孤立MoOxと酸化セリウムの界面であることは示したが、どうして本サイトが高活性を示すのかについては明らかになっていない。そこで、高活性の発現機序について、触媒表面の酸・塩基性評価を行い、活性、選択性との相関性について検討を行う。さらに、C-Cカップリング反応と不斉水素化反応を組み合わせたワンポット反応についても検討を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 3 results)

  • [Journal Article] Comprehensive Study on Ni- or Ir-Based Alloy Catalysts in the Hydrogenation of Olefins and Mechanistic Insight2021

    • Author(s)
      Bai Jia-qi、Tamura Masazumi、Nakayama Akira、Nakagawa Yoshinao、Tomishige Keiichi
    • Journal Title

      ACS Catalysis

      Volume: 11 Pages: 3293~3309

    • DOI

      10.1021/acscatal.0c04615

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Terpenoid-derived conjugated dienes with exo-methylene and a 6-membered ring: high cationic reactivity, regioselective living cationic polymerization, and random and block copolymerization with vinyl ethers2021

    • Author(s)
      Nishida Takenori、Satoh Kotaro、Tamura Masazumi、Li Yingai、Tomishige Keiichi、Caillol Sylvain、Ladmiral Vincent、Vayer Marylene、Mahut Frederic、Sinturel Christophe、Kamigaito Masami
    • Journal Title

      Polymer Chemistry

      Volume: 12 Pages: 1186~1198

    • DOI

      10.1039/D1PY00035G

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Biobased Cycloolefin Polymers: Carvone-Derived Cyclic Conjugated Diene with Reactive exo-Methylene Group for Regioselective and Stereospecific Living Cationic Polymerization2020

    • Author(s)
      Nishida Takenori、Satoh Kotaro、Nagano Shusaku、Seki Takahiro、Tamura Masazumi、Li Yingai、Tomishige Keiichi、Kamigaito Masami
    • Journal Title

      ACS Macro Letters

      Volume: 9 Pages: 1178~1183

    • DOI

      10.1021/acsmacrolett.0c00479

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-12-27  

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