2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Hybrid Photocatalytic Systems for Fluorine Functionalization
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
20H04819
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大久保 敬 大阪大学, 先導的学際研究機構, 教授 (00379140)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フォトレドックス触媒 / アクリジニウム / C-H活性化 / トリフルオロメチル化 / 光反応 / メタルフリー / レーザーフラッシュフォトリシス / 有機触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
可視光照射をすることで高い酸化力および還元力を有する長寿命の分子内電子移動状態を生成する9-(4-クロロ-2,6-キシリル)-10-メチルアクリジニウム(Acr+-XylCl)を光触媒、S-(トリフルオロメチル)-ジベンゾチオフェニウム(CF3DBT+)をトリフルオロメチル源として用い、トルエンの光トリフルオロメチル化反応について検討した。 Acr+-XylCl ClO4-(1.0 mM)、トルエン (10 mM)、CF3DBT+BF4-; (11 mM)を含む脱酸素アセトニトリル溶液にλ > 420 nmのキセノンランプ光を24時間照射すると、トルエンが56% 消費され、2-トリフルオロメチルトルエン、4-トリフルオロメチルトルエンがそれぞれ30%、26%の収率で得られた。また、他の芳香族化合物としてベンゼン、メシチレン、チオフェンを基質に用い光トリフルオロメチル化反応を行ったところ、24時間の可視光照射後で、対応するトリフルオロメチル化体がそれぞれ29%、71%、75%の収率で得られることが分かった。 ナノ秒レーザー過渡吸収スペクトルおよびESR測定による中間体検出等の結果に基づき、本光触媒反応は、Acr+-XylClの光電子移動状態を経由し、トルエンの電子移動酸化、CF3DBT+の電子移動還元により進行していることが分かった。 以上、本研究では、可視光照射により高い酸化力、還元力を有する長寿命の電子移動状態を形成するAcr+-XylClを光触媒として用いることで、芳香族化合物のC-H結合の直接的活性化によるトリフルオロメチル化を、メタルフリーかつ触媒条件の反応系として行うことに初めて成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画で予定していたトリフルオロメチル化反応の開発を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
反応基質の多様性をさらに拡げるべく研究をさらに進めていく予定である。
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Research Products
(41 results)