Publicly Offered Research
本研究では、金属触媒と環状分子とのハイブリッド触媒系を創製することで、位置選択的な炭素-水素結合変換反応を開発することを目的に研究を行った。本触媒系では、環状分子により基質の望みでない反応点が立体的に塞がれることで、望みの反応点のみで反応が進行するものと想定した。鉄触媒と環状分子であるシクロデキストリンを協働的に利用することで、これまでほとんど報告例のなかった芳香族化合物の位置選択的なトリフルオロメチル化反応の開発に成功した。また、シクロデキストリン非存在下では、トリフルオロメチル基が一つ導入された生成物のみならず、二つ以上導入された生成物も同時に生成し混合物が得られたが、シクロデキストリン共存下で反応を行うことで、トリフルオロメチル基が一つ導入された生成物を選択的に得ることができた。本研究成果を学術論文として報告した。また、アニオン性の触媒とカチオン性の官能基を有する基質間での静電相互作用を利用することによる位置選択的なC(sp3)-H結合変換反応の開発や、アニリン誘導体とホウ素化剤との間の相互作用を利用した炭素-窒素結合の切断を伴う芳香族ホウ素化合物の合成反応の開発にも成功し、それぞれ学術論文として報告した。さらに、ラジカル種による水素原子の引き抜きによるアルキルラジカルの生成を利用することで、脂肪族化合物の臭素化反応や糖類の位置選択的なアルキル化反応の開発にも成功し、得られた研究成果をそれぞれ学術論文として報告した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (9 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 9 results, Open Access: 2 results) Presentation (23 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results) Remarks (2 results)
Chem. Commun.
Volume: 58 Pages: 843-846
10.1039/D1CC06212C
Org. Lett.
Volume: 24 Pages: 1286-1291
10.1021/acs.orglett.1c04215
ACS Catal.
Volume: 12 Pages: 3058-3062
10.1021/acscatal.2c00278
Chem. Lett.
Volume: 50 Pages: 808-811
10.1246/cl.200939
Org. Biomol. Chem.
Volume: 19 Pages: 3124-3127
10.1039/D1OB00326G
Beilstein J. Org. Chem.
Volume: 17 Pages: 885-890
10.3762/bjoc.17.74
Volume: 23 Pages: 4327-4331
10.1021/acs.orglett.1c01259
Volume: 23 Pages: 4774-4778
10.1021/acs.orglett.1c01503
Volume: 57 Pages: 7007-7010
10.1039/D1CC02326H
https://kuninobu-lab.weebly.com/
https://kuninobu-lab-english.weebly.com/