2020 Fiscal Year Annual Research Report
On-demand asymmetric synthesis using the cooperative system of chiral phosphoric acid and photoredox catalyst
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
20H04826
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
秋山 隆彦 学習院大学, 理学部, 教授 (60202553)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不斉合成 / キラリティー / キラルリン酸 / 光酸化還元触媒 / 水素結合 / エナンチオ選択性 / ベンゾチアゾリン / 光反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
光学活性化合物には,エナンチオマー間で異なった生理活性を示す場合が多く,一方のエナンチオマーを選択的に合成する不斉触媒反応の開発は,有機化学における重要な研究課題の一つである。研究代表者は,キラルリン酸がキラルブレンステッド酸として優れた不斉触媒能を示すことを2004年に見出し,その後数多くの不斉触媒反応を開発してきた。 本研究においては,キラルリン酸と光触媒を協働的に用いることにより,新たなハイブリッド触媒系を開発し,これまでに達成することのできなかった,新規な不斉触媒反応の開発を目指している。 2020年度は,ベンゾチアゾリンや,ベンゾイミダゾリン等の電子豊富複素環化合物をアルキル化剤として用いた反応の開発を行なった。 2-アルキル置換ベンゾチアゾリンが光酸化還元触媒存在下,電子不足アルケンと反応し,アルキル化反応が進行することを見出しているが,本アルキル化反応が加熱条件下においても進行することを明らかにした。また,ベンゾイミダゾリンも銅(I)塩を触媒として用いることにより,ヨウ化アレーンと反応し,トリフルオロメチル基の移動反応が効率よく進行することも明らかにしている。不斉触媒反応については,キラルリン酸と組み合わせることにより,エナンチオ選択的なアルキル化反応を行ない,数多くのキラルリン酸誘導体を検討し,高い光学純度で付加体が得られる条件と詳細に検討した。また,エナンチオ選択的な付加環化型の反応についても,不斉収率の向上を目指して様々な条件を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キラルリン酸と光触媒を用いたハイブリッド型のエナンチオ選択的なアルキル化反応が比較的効率的に進行しており,概ね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
キラルリン酸を用いたエナンチオ選択的な不斉触媒反応について,さらに,触媒,条件等を検討し,高い光学純度で生成物が得られる条件を明らかにし,幅広い基質で進行する不斉触媒反応の開発を目指す。
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