2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Dearomative Alkylation using Hybrid Catalysis
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
20H04829
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武藤 慶 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (60778166)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脱芳香族化 / パラジウム / ベンジルパラジウム / 芳香族化合物 / 触媒的有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、新型コロナ禍で一部補助金を繰越した。延長期間も含めて、当該年度では様々な求核剤を用いるハロアレーン類の脱芳香族的二官能基化の開発研究を行った (1:分子内アミンを求核剤とするハロアレーンとジアゾ化合物との脱芳香族的アザスピロ環化反応、2:単純カルボニル化合物を求核剤とするハロアレーン類とジアゾ化合物の脱芳香族的二炭素官能基化)。1に関しては、早々に反応条件を確立できた。アミノアルキル基をもつブロモフラン、ブロモチオフェンなどのヘテロール類に加え、ナフタレンなどのベンゼノイドを用いても反応が進行し、対応するアザスピロ環が高収率で得られた。ブロモフランより得られるアザスピロ環は酸触媒による転位反応を経て、様々な有用なアザスピロ化合物へ導くことができた。2の研究に関しては、最適な条件の探索に苦戦したものの、従来条件では適用できなかった単純カルボニルを反応剤としても反応が進行する改良条件の端を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による大学の入構制限により、予定していた内容の9割ほどしか進められていないものの、目的としていた新な求核剤(単純カルボニル化合物)を用いるハロアレーンとジアゾ化合物、求核剤との脱芳香族的二炭素官能基化を進行させる条件を見出すに至った。当初は当該年度中に基質検討まで進める予定であったため、完全に満足できる本年度の進行ではないものの、研究は順調に進展していると言える。 また、同時に進めていた分子内にアミノ基をもつ芳香族化合物に対する分子内脱芳香族的アザスピロ環化の開発も始めた。これは予想以上に進展し、条件の最適化、基質検討まで十分進められ、成果が得られた。 上記のように、コロナ禍による入構制限の影響から本年度の研究費は一部翌年度へ繰り越した。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度も脱芳香族的二炭素官能基化の研究と分子内脱芳香族的アザスピロ環化を中心にすすめる。前者は基質一般製の検討とその結果を受けた条件の再検討をする予定である。後者は合成的有用性を示すべく応用研究をし、論文化する。また、分子内に窒素原子以外の求核部位をもつ化合物でも同様の反応が進行するか検討する予定である。
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