2020 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド触媒開発を加速するデータ駆動型インシリコ分子設計法の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Hybrid Catalysis for Enabling Molecular Synthesis on Demand |
Project/Area Number |
20H04831
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 滋 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (70620821)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インシリコ分子設計 / データ駆動型触媒設計 / 触媒的不斉合成 / 機械学習 / 分子場解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では分子触媒のin silicoでのデータ駆動型設計法の提唱・構築を目的としている。とくにハイブリッド触媒を設計対象とする。軸となる手法は、分子場解析と呼ばれる3次元構造活性相関(3D-QSAR:Quantitative Structure-Activity Relatio nship)手法である。不斉触媒反応における分子場解析とは、生成物の鏡像異性体比と、触媒など分子の3次元構造から計算した分子構造情報(分子場)との間の回帰分析である。作成した回帰式の回帰係数の値の大小からエナンチオ選択性にとって重要な構造情報を抽出・可視化できる。どこに置換基を導入すれば選択性が向上するか一目でわかることから効率的に不斉触媒を設計できると期待される。これまでに不斉触媒反応におけるデータ駆動型分子設計のための、分子場解析に基づく方法論の基礎を固めることに成功している。本研究では、これまでに解析に用いていたエナンチオ選択性の実験値ではなく、計算機上で算出したエナンチオ選択性の値と、対応する遷移状態の構造を用いて分子場解析を行なった。可視化した重要構造情報をもとにキラル配位子の設計を行い、実験によりエナンチオ選択性が向上することを確認した。実験値に含まれる情報が複雑なため実験データの解析のみでは分子設計が難しい場面も少なくない。本研究で構築に成功したin silico分子設計手法がこの問題を解決する一手段となり、ハイブリッド不斉触媒系構築のための強力なツールになることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに分子場解析に基づくデータ駆動型インシリコ触媒設計法の構築に成功したことから、順調に研究が進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通りに、共同研究を中心に分子場解析に基づくデータ駆動型触媒設計法の基礎を固めながら、その有用性を実証していく。さらに昨年度開発に成功したデータ駆動型インシリコ触媒設計法を用いてハイブリッド不斉触媒の開発・最適化も行なっていく。
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Research Products
(5 results)