2020 Fiscal Year Annual Research Report
Stem cell maintenance during axillary meristem formation
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of pluripotent stem cells underlying plant vitality |
Project/Area Number |
20H04880
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 若奈 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (10725245)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 腋芽メリステム / 花メリステム / 幹細胞 / イネ / TAB1 / FON |
Outline of Annual Research Achievements |
・栄養成長期の腋芽幹細胞の維持機構 最近私たちは、イネの TAB1-FON2 経路が、腋芽メリステム形成過程の幹細胞維持を担っていることを明らかにした(Tanaka et al., 2015; Tanaka and Hirano, 2020)。本研究では、TAB1-FON2 経路に関する新たな知見を得ることを目的とし、花メリステム維持の負の制御因子として知られている FON1 に着目し分子遺伝学的な解析を実施した。 まず、fon1 変異の tab1 に対する影響を調べるために、fon1 tab1 二重変異体の表現型を解析した。その結果、fon2 tab1 二重変異体とは異なり、fon1 tab1 二重変異体では tab1 の分げつ形成不全は抑圧されず、野生型様の腋芽も観察されなかった。次に、fon1 単独変異体の表現型を解析した結果、分げつ数も腋芽の形態も、野生型同様であることが判明した。これら fon1 の表現型は、fon2 の表現型と対照的であることから、FON1 は腋芽形成に関与していないことが示唆された。腋芽形成過程における FON1 の発現パターンを解析したが発現は全く検出されず、この結果も上記の考えと一致している。本成果を、Cytologia 誌に発表した(Tanaka and Hirano, 2021)。 ・生殖成長期の花幹細胞の維持機構 栄養成長期の腋芽幹細胞の維持に必須な TAB1 遺伝子の突然変異体は、腋芽形成に加えて花にも多面的な異常を示したため、その花の表現型に着目して解析を実施した。tab1 変異体の花器官数は野生型とほぼ同様であったことから、イネの花幹細胞の維持は、シロイヌナズナと比較して複雑な機構によって制御されている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的にほぼ計画通りに研究を実施できている。 前述した FON1 の機能解析により、栄養成長期の腋芽幹細胞の維持機構に関する新たな知見をもたらすことに成功した。 加えて、花幹細胞の維持機構解明に向けての、tab1 を含む各種の突然変異体の花の発生初期段階のサンプル採取を計画通り完了しており、これから幹細胞マーカー遺伝子などの発現パターンを解析する準備も整っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
花幹細胞の維持機構の解明に向けて、tab1 を含む各種の突然変異体を用いたさらなる解析(表現型解析・マーカー遺伝子の発現解析・2重変異体作製による遺伝的相互作用の解析等)を実施する。 また、腋芽幹細胞の維持機構のさらなる理解に向けて、tab1 変異体のブランチ形成不全を抑圧する突然変異体に着目して研究を実施することも計画している。
|
-
-
[Journal Article] CURLED LATER1 encoding the largest subunit of the Elongator complex has a unique role in leaf development and meristem function in rice2020
Author(s)
Hikari Matsumoto, Yukiko Yasui, Yoshihiro Ohmori, Wakana Tanaka, Tetsuya Ishikawa, Hisataka Numa, Kenta Shirasawa, Yojiro Taniguchi, Junichi Tanaka, Yasuhiro Suzuki, and Hiro-Yuki Hirano
-
Journal Title
Plant Journal
Volume: 104
Pages: 351-364
DOI
Peer Reviewed
-
-