2020 Fiscal Year Annual Research Report
Stem cell formation by establishment of low auxin responsiveness
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of pluripotent stem cells underlying plant vitality |
Project/Area Number |
20H04884
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
西浜 竜一 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 教授 (70283455)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オーキシン / 細胞リプログラミング / ゼニゴケ / 幹細胞 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
MpARF1の標的遺伝子を同定するために、MpARF1-Citrine/Mparf1-ko株を用いてChIP-seq解析を行い、MpARF1が結合するゲノム領域のデータを得た。 低オーキシンレベルに応答してMpLAXRの発現が誘導される機構を明らかにするために、まずオーキシン応答性のMpLAXR発現抑制因子としてこれまでのトランスクリプトームデータから数個の候補遺伝子を抽出した。MpLAXR発現領域への影響を調べるために、それら遺伝子の変異体をMpLAXR発現レポーター株背景で作出している。 MpLAXRが標的とする遺伝子を同定するために、2種類のMpLAXR薬剤誘導発現株(EFpro:MpLAXR-GR株、XVE>>MpLAXR株)を作出した。どちらも発現誘導することで細胞塊状の表現型を示した。XVE>>MpLAXR株を用いてMpLAXR発現誘導後に薬剤を除去する実験を行うと、細胞塊から多数の葉状体構造が発生することがわかった。以上のことから、過剰発現により誘導される細胞塊は、幹細胞形成能を備えた細胞からなることが示唆された。 オーキシン応答能ゾーンを可視化するためのレポーターとして、ゼニゴケの知られているオーキシン応答遺伝子に存在するARF結合配列を様々な間隔と向きで並べた人工プロモーターを合成したが、期待通りのオーキシン応答性を示さなかった。また、シロイヌナズナでよく用いられているレシオメトリックなR2D2のゼニゴケ版の形質転換体を作出した。 新規成長調節物質経路に関わると推定されるMpCYP78A&EとMpAMP1に関しては、変異体および誘導過剰発現株の培養液や組織抽出液を用いてバイオアッセイ実験を行ったが、ポジティブな結果は得られなかった。レポーター株を作出して発現部位解析を進めた。 分泌ペプチド信号伝達系に関する実験は大きな進展はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゼニゴケではまだ実績がなかったChIP-seq解析に成功した。CUT&RUN法も用いてMpARF1およびMpARF2の結合ゲノム領域を特定していくことで、オーキシン応答のさらなる詳細な仕組みの解明が期待される。この点は大きな進捗であったが、その他の計画は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、予定通りには進められなかった。特に、分泌ペプチド信号伝達経路に関する実験は滞った。
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Strategy for Future Research Activity |
CUT&RUN法も用いてMpARF1およびMpARF2の結合ゲノム領域を特定する。 MpLAXR発現抑制因子候補の変異体におけるMpLAXR発現部位の解析を行う。 MpLAXRの標的遺伝子を2つのアプローチにより探索する。まず、MpLAXR薬剤誘導発現株を用いて発現誘導の有無条件でRNA-seqを行い、MpLAXR発現誘導依存的に発現変動する遺伝子を同定する。次に、MpLAXRのChIP-seq解析を行い、MpLAXRが結合するゲノム領域を特定する。両方の実験でポジティブな遺伝子を見つける。 作出したMpR2D2株の観察を行うとともに、さらなるDR5型のオーキシンレポーターを設計、作製する。 MpCYP78A&EとMpAMP1に関しては、発現レポーター株の詳細な観察を行い、発現部位を調べる。また、オーキシン応答性調節における作用点を明らかにする。 分泌ホルモンMpEPFL2とその受容体MpERの共過剰発現体および変異体を作出し、メリステムの表現型を解析するとともに、MpARF1&2およびMpLAXR発現パターンを調べる。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Design principles of a minimal auxin response system2020
Author(s)
Kato Hirotaka、Mutte Sumanth K.、Suzuki Hidemasa、Crespo Isidro、Das Shubhajit、Radoeva Tatyana、Fontana Mattia、Yoshitake Yoshihiro、Hainiwa Emi、van den Berg Willy、Lindhoud Simon、Ishizaki Kimitsune、Hohlbein Johannes、Borst Jan Willem、Boer D. Roeland、Nishihama Ryuichi、Kohchi Takayuki、Weijers Dolf
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Journal Title
Nature Plants
Volume: 6
Pages: 473~482
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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