2020 Fiscal Year Annual Research Report
イネ介在分裂組織における幹細胞の検証と細胞未分化性制御機構の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of pluripotent stem cells underlying plant vitality |
Project/Area Number |
20H04891
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
津田 勝利 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 助教 (30756408)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 節間 / 幹細胞 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネ科植物の茎の形成機構を解明するため、以下の実験を遂行した。 【IM基部におけるクローナル解析】クローナル解析系の確立に向けて、熱ショック誘導型dBox-Creを導入したイネを作成し、温湯処理による発現誘導を確認したが、GUS活性が非常に低く改良が必要であることがわかった。そこでプロモーター、dBox-Cre内のイントロンに改良を加え、形質転換イネにてGUSセクターの誘導効率を向上させた。 【茎の部位特異的マーカーの作成と遺伝子機能解析】トランスクリプトーム解析により同定した節間・節それぞれに特異的な発現を示す遺伝子群についてゲノム編集による変異体を作成し、節間形成において重要な三つの遺伝子を同定した。またこれらの遺伝子についてゲノムGFPレポーターを作成し、発現パターンを明らかにした。一方で茎頂幹細胞制御因子として知られる5遺伝子についても変異体を作成したが節間形成における異常は見られなかった。 【OSH1の核外輸送モチーフの機能解析】OSH1の核外輸送に不可欠なモチーフを欠損させたゲノムGFP-OSH1の変異体コンストラクトを作成しosh1変異体に導入したが、茎頂におけるタンパク質の細胞内局在に変化は見られず、osh1変異も正常型コンストラクト同様に相補されることがわかった。茎頂では異なる核外輸送モチーフが用いられている可能性が考えられた。 【OSH1の相互作用因子の同定】GFP-OSH1過剰発現カルスからの抗GFP抗体を用いたGFP-OSH1の免疫沈降の際に、OSH1を含まないtruncate GFPが相当量混入してくることがわかり、分解産物または翻訳が途中で停止した産物である可能性が考えられた。タンパク質抽出の際にプロテアーゼ阻害剤を加えた条件を検討したが改善されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クローナル解析系の確立と茎の発生機構における鍵因子の同定・機能解析は順調に進んでいる。一方、OSH1の翻訳後制御については、GFP-OSH1免疫沈降における技術的問題が発生し、予定した相互作用因子の探索へと進めなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
クローナル解析系の確立と茎の発生機構における鍵因子の同定・機能解析は予定通り進める。 OSH1の相互作用因子探索については、免疫沈降に用いるサンプルをカルス・茎頂・幼穂などで検討し、より純度の高いGFP-OSH1タンパク質を精製できる組織を調べる。また、免疫沈降条件の検討も引き続き行う。
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Research Products
(3 results)