2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the functional significance of primary cilia-Golgi associated zone in endocrine cells
Publicly Offered Research
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
20H04896
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
甲賀 大輔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30467071)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一次線毛‐ゴルジ連携ゾーン / オルガネラ / 連続切片SEM法 / 3D / SEM / ゴルジ装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「一次線毛-ゴルジ連携ゾーンの形態学的解析」を行った。 1. 蛍光免疫組織化学染色によるLH/FSH細胞の一次線毛・ゴルジ連携ゾーンの観察:下垂体前葉LH/FSH細胞において、「一次線毛-ゴルジ連携ゾーン」が機能・形態的にユビキタスであるかを明らかにするため、抗ホルモン(LH)抗体と線毛マーカー(抗アセチル化チューブリン抗体など)、ゴルジマーカー(GM130, TGN38)で蛍光免疫組織化学染色した切片をレーザー共焦点顕微鏡で観察し、ゴルジ装置と一次線毛の関係性を示した。 2. 連続切片SEM・3D再構築法によるLH/FSH細胞の一次線毛・ゴルジ連携ゾーンの解析:下垂体前葉は、複数の内分泌細胞が混在した組織であるため、免疫細胞化学手技による解析が重要となる。そこで、近年開発に成功した免疫電顕法を加味した連続切片SEM法を用い、LH/FSH細胞を含む下垂体前葉各細胞を正確に同定した上で、一次線毛・ゴルジ連携ゾーンの解析を行った。また、組織化学法(オスミウム染色法など)を施した標本を解析する事で、LH/FSH細胞ゴルジ装置の極性(シス・トランス)を加味した3Dモデルを作製することに成功した。さらに本研究では、連続切片をゴルジ関連蛋白質に対す抗体で免疫細胞化学標識し、微細構造だけでは判断しにくいゴルジ装置の極性を各断面像で正確に追跡しながら、機能分子の局在情報が加味された3D再構築像を得ることが可能となった。これらの技術を確立させることで、一次線毛-ゴルジ槽(シス・中間・トランス槽)の空間的配置関係の詳細を示すことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、最新の3Dイメージング技法や実験内分泌学的アプローチを駆使し、「一次線毛-ゴルジ連携ゾーン」の形態・機能的意義の解明を目的としている。そこで、本年度は、「一次線毛‐ゴルジ連携ゾーン」の形態学的解析を中心に行った。具体的には、①蛍光免疫組織化学染色によるLH/FSH細胞の一次線毛・ゴルジ連携ゾーンの観察、②連続切片SEM・3D再構築法によるLH/FSH細胞の一次線毛・ゴルジ連携ゾーンの解析、の2項目についておおむね順調に計画が遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 機能亢進時における一次線毛-ゴルジ連携ゾーンの機能・形態学的解析 去勢(精巣摘出)後早期(2-3日)、もしくはLeuprorelin処置後早期(1日)のLH/FSH細胞において、細胞内膜系に特徴的な微細構築変化、すなわち正常時には球体であったゴルジ装置の断片化、ER膜の集合体の出現、ミトコンドリアの拡張などが観察される。また、去勢後長期(3ヶ月)には、LH/FSH細胞の細胞質に、ゴルジ装置の拡大や巨大に空胞化したERがみられるようになる。そこで、去勢術により分泌刺激を受けたLH/FSH細胞における「一次線毛-ゴルジ連携ゾーン」の経時的ダイナミクスを精密に観察し、その生物学的意味を解明する。 2. 細胞分裂時における一次線毛-ゴルジ連携ゾーンのダイナミクスの解明 下垂体前葉組織中には、分化・成熟した内泌細胞の細胞分裂像も観察できる。分裂期には一次線毛の解体が起こり、中心小体は分裂装置として機能する。さらに細胞分裂時には、ゴルジ装置の分解(連続性の解体と小胞化)が起こることも知られている。そこで、内分泌細胞の細胞分裂時(前期、中期、後期、終期の各期)における「一次線毛-ゴルジ連携ゾーン」の解体と再構築のダイナミクスを形態学的に解析(一次線毛の解体、中心小体から一次線毛へのダイナミックな構造変換、ゴルジ装置の動態に注目)し、その形成機構を明らかにする。
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Research Products
(4 results)