2021 Fiscal Year Annual Research Report
核膜間交流ゾーンにおける分子基盤と生物学的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
20H04899
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 哲久 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (40581187)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2022-03-31
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / 小胞媒介性核外輸送 / SLC35E1 / CRISPRスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞にとって、核膜は細胞内を二分する極めて重要なオルガネラである。核膜は小胞体の延長である核外膜と、核ラミナに裏打ちされる核内膜とに区別される。核外膜と核内膜は核膜孔を介して接しており、核内膜に存在する蛋白質は核膜孔を介してのみ交換されると、長らく考えられてきた。しかし、近年、核膜の中でlamin A/Cによる裏打ちが消失したゾーンにおいて、巨大な構造体が、一旦核内膜から出芽し、核膜間に小胞を形成した後、小胞が核外膜と融合することで、「ウイルスカプシド」や「巨大リボヌクレオチド(RNP)」といった「核膜孔の直径を上回るサイズの構造体」を細胞質へと輸送する「小胞媒介性核外輸送」が注目されている (Nat Rev Mol Cell Biol. 18:229-45. [2017])。 本申請課題では、核膜間に形成された小胞と核外膜が、細胞質へと移動する過程(核膜間に形成される小胞の膜を脱ぎ捨てることから、de-envelopmentと呼ばれる)における核膜間小胞と核外膜の膜融合機構を司る分子メカニズムの解明を試みた。まず、インターラクトーム解析により候補分子を得た後、CRISPRスクリーニングとイメージング解析を併用したfunctional screeningを実施することで、基質不明のトランスポーターSLC35E1が、新規de-envelopment facorであることを見出した。さらに、SLC35E1は、ヘルペスウイルス感染時、核膜へとリクルートされ、トランスポーター活性依存的に、カプシドのde-envelopmentに極めて重要な役割を担っていることも解明した。本知見は、「小胞媒介性核外輸送」の分子機構の一端を解明した重要な知見であると考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)