2020 Fiscal Year Annual Research Report
核小体オルガネラゾーンにおけるストレス制御と癌の発症進展機構
Publicly Offered Research
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
20H04905
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10311565)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核小体 / ストレス制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
リボソーム生合成は、細胞内の最大のエネルギー消費過程であるため、細胞にとって最重要なイベントである。リボソーム生合成低下の監視システムは核小体に存在すると言われていたものの、その機構は未だ十分解明されていない。我々はこれまで、「リボソーム生合成低下」条件下 では、核小体にあるPICT1 が速やかに分解・消失することでリボソーム蛋白質L11(RPL11)等が核小体ゾーンから核質ゾーンに移動してMDM2の機能を抑制することで、ストレスがかかることを明らかにした。しかしながら「リボソーム生合成低下」によってPICT1が分解されるまでの初期作動機構は未だ全く不明である。 一方リボソーム蛋白質異常をもつヒトリボソーム病の多くで、核小体ストレスがかかり、p53が増加する一方、がんの発症リスクは高くその機構も殆ど不明である。我々はこれらを解明することをその目的とする。 我々は、PICT1蛋白質を安定化する分子を解明するために、質量分析器を用いてPICT1と直接結合する約40種類の分子群を見出し、これらの中から各siRNAを用いてPICT1の安定性に関わることを介してp53を制御するPICT結合分子(X)を同定した。またこの分子のin vivoにおける効果を見るために、PICT結合分子(X)欠損マウスも作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々は、PICT1蛋白質を安定化する分子を解明するために、質量分析器を用いてPICT1と直接結合する約40種類の分子群を見出し、これらの中から各siRNAを用いてPICT1の安定性に関わることを介してp53を制御するPICT結合分子(X)を同定した。またこの分子のin vivoにおける効果を見るために、PICT結合分子(X)欠損マウスも作製中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、PICT結合分子(X)とPICT1の結合にrRNAが関与するかを検討するほか、PICT結合分子(X)欠損マウスの表現型を解析するとともに、核小体ストレス時にp53以外にどの癌関連遺伝子が変動するのかの検討を行う。
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[Journal Article] Hepatocyte Mitogen-Activated Protein Kinase Kinase 7 Contributes to Restoration of the Liver Parenchyma Following Injury in Mice.2021
Author(s)
Ooshio T, Yamamoto M, Fujii K, Xin B, Watanabe K, Goto M, Okada Y, Suzuki A, Penninger JM, Nishina H, Nishikawa Y.
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Journal Title
Hepatology
Volume: 73(6)
Pages: 2510-2526
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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