2020 Fiscal Year Annual Research Report
炎症増幅に機能するミトコンドリア-中心体間の連携ゾーン形成機序の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
20H04910
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
原 英樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (30456892)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2022-03-31
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Keywords | インフラマソーム / 中心体 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロファージなどの免疫細胞は、病原体や異常代謝産物などを感知するために細胞内受容体を発現している。細胞内受容体が異物を認識すると、アダプター分子ASCおよびタンパク分解酵素カスパーゼ1をリクルートすることでインフラマソームと呼ばれるタンパク複合体を形成する。インフラマソームの活性化は、炎症性サイトカインであるIL-1βやIL-18の分泌および孔形成タンパク質ガスダーミンDを介したプログラム細胞死などを誘導することで様々な炎症応答を制御する重要な自然免疫システムである。近年の研究から、このインフラマソーム応答がオルガネラと密接な関係性があることが示唆されつつある。なかでもわれわれは、定常状態においてミトコンドリアと相互作用しているASCが、インフラマソーム活性化時には中心体と共局在することを見出した。本研究では、ミトコンドリアに局在するASCが異物刺激に応じて中心体に移動し、インフラマソームを活性化するための “ミトコンドリア-中心体間の連携ゾーン”の形成機序を解明することを目的とする。 インフラマソーム活性化時にASCと会合する分子を免疫沈降法で調べたところ、ある分子(分子Xとする)が候補として検出された。そこで、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術で分子Xを欠損するマクロファージを作製したところ、ASCの中心体への移動が減少し、インフラマソーム応答も減弱した。次年度はASCと分子Xが細胞内でどのように相互作用しているのか調べるとともに、ASCのオルガネラ間の移動を制御するメカニズムについて解析をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな問題もなく進行しているので、予定通りにすすめていく。
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Research Products
(3 results)