2021 Fiscal Year Annual Research Report
S-アシル化修飾ゾーンによるシナプス機能制御
Publicly Offered Research
Project Area | Toward an integrative understanding of functional zones in organelles |
Project/Area Number |
20H04915
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
深田 正紀 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 教授 (00335027)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | S-アシル化修飾 / タンパク質 / 脂質 / 酵素 / シナプス / PSD-95 / ADAM22 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、神経細胞の高度に特殊化した細胞膜領域であるシナプス膜領域をモデルとして、その形成と機能発現における「S-アシル化修飾ゾーン」の役割に着目してきた。とりわけ、シナプス後部膜に濃縮する代表的な足場タンパク質“PSD-95”の集積機構について解析を進めてきた。最近、私共は、PSD-95がシナプス後部膜に濃縮するには、(1) S-アシル化修飾に加えて、(2) PSD-95結合タンパク質として見出していたADAM22との結合が重要であることを見出した(Fukata et al. PNAS 2021)。2021年度は、米国UCSFのNicoll博士との共同研究にて、ADAM22-PSD-95経路が海馬の長期増強(LTP, long term potentiation)と呼ばれるシナプス可塑性に関与しているかを検討した。その結果、ADAM22-PSD-95経路は、SAP102経路と協調して、LTP誘導に必須の役割を果たしていることを明らかにした(Chen X, Fukata et al. PNAS 2021)。さらに、私共はADAM22の輸送ゾーン(生合成経路と分解経路)について解析を進め、ADAM22はPKAによりリン酸化され、14-3-3タンパク質と強固に結合することで安定にシナプス膜に発現することを見出した。一方、このリン酸化を受けない遺伝子改変マウスを作製したところ、ADAM22は14-3-3と結合できずに分解されてしまい、脳内のADAM22の量が約40%にまで減少することを見出した(Yokoi et al. Cell Rep 2021)。以上の結果より、シナプス後部へのPSD-95の集積およびそのシナプス機能には、S-アシル化と共に膜タンパク質ADAM22との結合が重要であることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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