2020 Fiscal Year Annual Research Report
超短命モデル脊椎動物を用いた生涯にわたる「性トラジェクトリ」の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Spectrum of the Sex: a continuity of phenotypes between female and male |
Project/Area Number |
20H04922
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 耕太 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員(常勤) (10867279)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 性スペクトラム / 生殖細胞 / 老化 / 寿命 / ターコイズキリフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
超短命モデル脊椎動物ターコイズキリフィッシュを用いて、生涯にわたる性の揺らぎ「性トラジェクトリ」の実態および老化との関係解析、さらに、生殖細胞が性および老化に与える影響の解析を進め、以下の成果を得た。 <1.性トラジェクトリの測定および老化解析>性トラジェクトリ測定系の確立を進めた。ターコイズキリフィッシュから採血を行い、血中の性ステロイドホルモンをELISA法により定量することに成功した。しかし、性の揺らぎを正しく捉えるためにはより正確な定量を行うことが適切であると判断し、質量分析法による測定系の確立に着手した。現在、より微量なサンプルから正確な測定を可能にするための最適化を進めている。加えて、各個体の老化度を定量化するため、すでに同定していた老化マーカーに加えて新たなマーカーの探索を行なった。オミクス解析に基づき、肝臓、脳、筋肉等の組織においてキリフィッシュ老化の指標となりうる遺伝子を新たに複数同定した。 <2.生殖細胞が性および老化に与える影響の解析>ターコイズキリフィッシュの遺伝的性を判別する系を確立し、ターコイズキリフィッシュの性決定における生殖細胞の機能を明らかにした。さらに、生殖細胞の除去は個体レベルの生理、代謝状態に顕著な変化を生み出すことがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各個体における性トラジェクトリおよび老化度の、より正確で信頼性の高い評価系の構築が進んだ。また、ターコイズキリフィッシュの生殖細胞が性決定、および体の生理、代謝状態に与える影響を明らかにした。 以上から、当初の計画通りおおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
<1.性トラジェクトリの測定および老化解析>測定系の確立を完了させ、各個体の評価を行う。 <2.生殖細胞が性および老化に与える影響の解析>生殖細胞が生涯にわたる性の揺らぎに与える影響をより詳細に解析するとともに、老化に及ぼす影響の解析や、生殖細胞除去個体の寿命解析を引き続き行う。
|
Research Products
(2 results)