2021 Fiscal Year Annual Research Report
代謝ーエピゲノムのクロストークによる慢性アレルギー炎症細胞社会の形成
Publicly Offered Research
Project Area | Preventive medicine through inflammation cellular sociology |
Project/Area Number |
20H04948
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山下 政克 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (00311605)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Bach2 / 肺胞蛋白症 / 肺胞マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、転写制御因子Bach2のT細胞特異的欠損(KO)マウスでは、喘息-COPDオーバーラップシンドローム(ACOS)様の病態が自然発症することを報告している。一方で、T細胞特異的Bach2トランスジェニック(TG)マウスでは、肺胞蛋白症様の病態が自然発症し、生後20週前後でほぼ全てのTGマウスが死亡することを見出した。肺に存在する血球細胞について解析したところ、発症初期のBach2 TGマウスでは、T細胞、特に制御性T細胞の著しい増加が認められた。一方で、死亡直前のBach2 TGマウスでは、エフェクターT細胞の増大が認められた。そこで昨年度、支援班に相談し、生後15週前後の野生型、T細胞特異的Bach2 TGマウスの肺に存在する血球系細胞のシングルセルRNAシーケンス解析を実施した。その結果、T細胞特異的Bach2 TGマウスの肺では、CD11c high/Siglec-F intの表現系を持つ肺胞マクロファージ(AM)様の細胞が著しく増加していることが分かった。生後15週の野生型マウスにおいては、CD11c high/Siglec-F highの正常なAMのみが認められた。このAM様細胞は、MHCクラスIおよびクラスII発現が、通常のAMに比べ上昇していた。遺伝子発現解析の結果、T細胞特異的Bach2 TG肺のAM様細胞は、通常のAMとは異なり、MafBやC1qなどの炎症性因子が特徴的に発現していることが分かった。このAM様細胞の増加は、肺胞蛋白症発症前に認められたことから、T細胞特異的Bach2 TGマウス肺におけるT細胞増殖に関与している可能性が考えられた。今後は、このAM様細胞の肺T細胞増殖における役割などの機能、T細胞特異的Bach2 TGの肺T細胞が産生するどのような因子がこのAM様細胞の遊走・分化に関与しているのかについて、解析を進める。このデータと、ChIP-シーケンスによりヒストン修飾の変化を解析することで、T細胞Bach2による肺炎症細胞社会のエピゲノム-代謝制御の分子機構について明らかにする予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)