2020 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙線変動に基づくスーパー間氷期古気候記録の陸海同期
Publicly Offered Research
Project Area | Giant reservoirs of heat/water/material : Global environmental changes driven by the Southern Ocean and the Antarctic Ice Sheet |
Project/Area Number |
20H04964
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
堀内 一穂 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (00344614)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 宇宙線生成核種 / 同位体層序編年 / スーパー間氷期 / 宇宙線強度変動 / アイスコア / 堆積物 / 第四紀年代学 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸素同位体ステージ5eとその直前のターミネーション2を対象に、南大洋インド洋区のデルカノライズから得られたKH10-7 DCR-1PCコアのベリリウム同位体分析を行った。分析では、500年の時間解像度が得られるように試料を分取し、研究代表者が開発した標準分析スキームに従って、弘前大学で試料の前処理と9Beの分析を、東京大学総合研究博物館で10Beの加速器質量分析を行った。得られた結果をドームふじアイスコアから獲得済みの10Be記録と比較した結果、相互に対比できる変動の特徴が明らかになった。この結果より、双方のコアにてこれまでに提案されている年代モデルの中では、酸素同位体層序年代モデルとAICC2012年代モデルの親和性が最も高いことが示唆された。 酸素同位体ステージ11とその直前のターミネーション5を対象に、ドームふじ第二期深層コアの10Be分析を開始した。分析は、研究代表者が開発したドームふじアイスコアの標準分析スキームに従い、試料の前処理を弘前大学で、加速器質量分析を東京大学総合研究博物館で行った。 宇宙線生成核種10Beの降下過程と空間分布を明らかにし、宇宙線による対比をより精密化するために、南極表層積雪の10Be分析を開始した。その結果、沿岸域から内陸域にかけての、大まかな10Be濃度の分布状況が明らかになった。 本年度に得られた成果をまとめて、本新学術領域研究の研究会にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本事業では、MIS5eとMIS 11を対象に、宇宙線変動に基づいて陸海の古気候記録を同期させることを目的としている。本年度は、主にMIS5eに関して10Beのデータを得ることで、ドームふじアイスコアと海底堆積物コアとの陸海詳細同期を試みることができ、計画初年度として十分な成果を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画の遂行に問題は生じていないことから、当初の計画通り課題を推進する予定である。
|
Research Products
(3 results)