2020 Fiscal Year Annual Research Report
認知言語学に基づいた言語進化実験にみる文の創発
Publicly Offered Research
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
20H04991
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宇野 良子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40396833)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知言語学 / 実験記号論 / 一語文 / 平叙文 / 主観性 / 進化言語学 / 文の創発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、文の類型の認知言語学分析と、文の認知的基盤を探るコミュニケーション実験によって、文創発のメカニズムを明らかにし、進化言語学の中に位置付けて理論化することを目指す。 本研究期間には、叙述文が客観的事実と主観的判断の両方を表現していると捉えられる点に着目した。これは国語学の陳述論などの議論と関わる。私たちは、一言語だけを見るのではなく、類型論的に多くの言語の形容詞叙述文のあり方を比較することによって、叙述文における客観的描写と主観的判断がどのような関係にあるのかが明らかになることを論じた。その成果は国際学会で発表した。 更に、本学術領域の特性を活かし、学際的な観点から、人に対する質感認知の研究も行った。私たちの行ってきた善人や悪人の名前の音象徴の分析や、ファッションショーでのルックを表現するメタファーの分析の成果を俯瞰し、人間に対する人間による質感認知の理論をつくることを目指した。これら成果は、論文、著書、学会発表などで公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論的研究については、予定通り進めることができた。この領域のまとめとなる国際学会の開催が遅れたため、本研究の発表のタイミングが遅れたが、その間に関連する新しいトピックについても研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題については、さまざまなアプローチが可能であり、領域に多くの分野の研究者が集まっていることから、より学際的な展開を目指す。
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[Journal Article] What’s in a villain’s name?2020
Author(s)
Uno Ryoko, Shinohara Kazuko, Hosokawa Yuta, Atsumi Naho, Kumagai Gakuji, & Kawahara Shigeto
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Journal Title
Review of Cognitive Linguistics
Volume: 18
Pages: 428-457
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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