2021 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring hierarchical compositional syntax in avian vocal communication
Publicly Offered Research
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
20H05001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 俊貴 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (80723626)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 言語 / 鳥類 / 併合 / Merge / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヒト以外の動物においてMerge(併合)の存在を実証するための新規パラダイムを提案し、実証研究を通してその研究方策を確立することを目的とした。 Mergeとは2つの異なる意味をもつ語(単語)を組み合わせ、新しいユニットを作る言語操作である(2つの単語の併合をcore-Merge、3つ以上の併合をrecursive-Mergeと呼ぶ場合もある)。 申請者は鳥類の一種・シジュウカラが捕食者を追い払うために仲間を呼び集める際に、「警戒」と「集合」を意味する異なる鳴き声を組み合わせる現象を発見している(Suzuki et al. 2016 Nat Comm、Suzuki et al. 2017 Curr Biol)。しかし、その音列を受信者(同種他個体)が(1)単に時間的に連続した2音として認識しているのか、(2)2つの音声がMergeした新しいユニットと認識しているのか明らかでなかった。そこで、申請者は、2音を1つの音源から聞かせる場合(時間的・空間的に2音が連続)と、2つの音源から聞かせる場合(時間的には2音が連続、空間的には分離)とで、受信者の反応が変化するか実験的に検証した。その結果、シジュウカラは同じタイミングで連続する2音を聞いても、それらが同じ音源(1羽の同種個体を想定)から発された時にしか捕食者の追い払い行動を示さないことが明らかになった。 これらの結果は、シジュウカラが2音の組み合わせをMergeした1つのユニットとして認知していることを示している。本研究は、ヒト以外の動物においてMergeの有無を検証するための新しい実験パラダイムを提唱するだけでなく、言語の中核的下位機能であるMergeを鳥類において見出した学際的成果といえるだろう。 現在、申請者は3音の組み合わせについても同様の実験で検証を行っている。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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