2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluating the use of Merge and hierarchical structure in phonology
Publicly Offered Research
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
20H05007
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 音韻素性 / 併合 / 語彙化 / レキシコン / 音韻系の位置付け |
Outline of Annual Research Achievements |
2018~2019年度に助成を受けた新学術領域研究(研究領域提案型)(18H05081)における研究課題に引き続き、本研究では、統語演算系の特性である回帰的併合操作は、語彙項目のみならず、統語演算系において不可視であると見做されてきた音韻範疇(素性)もその対象にすることを、生成文法研究の枠組みで探求することを試みた。具体的には、語彙化(レキシコンに形態素・語を記憶する)過程において、音韻素性を回帰的に併合することで、形態素内の音韻構造が構築されると考え、その仕組みを明らかにすることを試みた。加えて、そのモデルの妥当性を、形態・統語構造構築過程比較しながら、共時的および通時的音韻現象の分析を通して探求した。2018~2019年度新学術領域研究(研究領域提案型)(18H05081)では、形態素を構成する母音素性を対象とする併合操作と語彙化過程の解明を行ったが、子音および他の音韻範疇を対象とする併合操作と語彙化過程の仕組みが明らかになっていないので、本研究では、子音に関わる素性と超分節構造を対象とする併合操作と、それらの語彙化過程の仕組みの解明を試みた。 上記の研究を行うために、はじめに、(1) 語彙化における音韻属性と階層構造の関係について論じている文献の収集を行い、それらの内容を丹念に検討した。第二に、(2) 機会は少なかったが、他の研究計画班や同様の関心を持つ国内外の研究者から関連のある情報を収集し、意見の交換を行った。(3) 新型コロナウィルス感染症による影響で、予定通りの研究はできなかったが、収集できた資料と情報を参考に研究を行い、その研究成果を英語でまとめて、国内外の学会や学会誌で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、新型コロナウィルス感染症による影響で、研究遂行に必要な関連文献やデータの入手、国際共同研究、および国際学会における研究成果報告を予定通り行うことができなかった。そのような中で、何とか入手できた文献やデータをもとに行った研究の成果を、国内外の学会と研究誌で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、新型コロナウィルス感染症による影響で、遂行することができなかった関連文献やデータの入手、国際共同研究、および国際学会における研究成果報告、ならびに研究成果のとりまとめを行う。
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Research Products
(9 results)