2021 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類音声模倣学習を可能にする内分泌脳内サージの発生時期特異的作用機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Studies of Language Evolution for Co-creative Human Communication |
Project/Area Number |
20H05012
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
本間 光一 帝京大学, 薬学部, 教授 (90251438)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鳥類 / 音声模倣学習 / 刷り込み / 甲状腺ホルモン / ニワトリ / cognitive flexibility |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究背景>言語機能を含む高次認知機能の獲得には、生後間もない幼少期から大人に至る様々な経験が影響を及ぼすと考えられている。鳥類は、哺乳類と同様に認知能力の柔軟性Cognitive flexibilityの獲得を可能にする発達した終脳を持つ。 ニワトリなどの離巣性鳥類は、孵化後間もなく刷り込み学習を行うと、血中甲状腺ホルモンの急速な脳内流入が起こる。その結果、刷り込み臨界期が開き、刷り込み学習の習得が可能となる。 <研究成果>孵化前後の内因性の脳内甲状腺ホルモンの上昇と、刷り込み学習に伴うホルモン上昇によってニワトリヒナが刷り込み学習を習得すると、Reversal learningやTask switchingといった認知能力の柔軟性Cognitive flexibilityができることが示された。そして認知能力の柔軟性の獲得には、鳥類の前頭連合野と言われるNdc領域が必要であった。ヒナを孵化後暗所に数日間置き、社会的な環境剥奪状態に置くと認知能力の柔軟性は失われるが、甲状腺ホルモンを脳内投与すると認知能力の柔軟性は回復することが示された。 <結論>認知能力の柔軟性は、甲状腺ホルモンを介した生後の最初経験(刷り込み)によって獲得しうる。これまで高度な認知能力の柔軟性の獲得には、生後の多くの経験が必要であると考えられてきたが、生後のわずかな学習経験で獲得可能であることが示唆される。鳥類の認知能力の柔軟性の知見が、ヒトを含む高等哺乳類の認知能力の柔軟性獲得の研究に応用できる可能性も考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)