2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the basic principles underlying mechano-homeostasis essential for 3D organogenesis
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
20H05037
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
浅岡 洋一 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10436644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | YAP / メカノホメオスターシス / 力学計測 / 磁性流体 / メダカ変異体 / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
生物は単細胞から細胞社会ダイバーシティー獲得の進化過程で個体サイズを拡大してきた。その過程に転写共役因子YAPが強く関わっていることが最近明らかになりつつある。しかし、現状のiPS細胞からの臓器作製では、幹細胞から分化した細胞は柔らかい組織のまま崩壊し、環境変化に耐え得る強靭な臓器構築までには至れていない。これまでに私たちは、体と臓器の扁平化を起こすhirameメダカ変異体の分離・解析から、その原因遺伝子YAPが、組織の3次元化と各々の組織の配置を統御して3次元臓器を構築する新規機構(YAP-メカノホメオスターシス)を見出した [Porazinski et al. Nature (2015), Asaoka and Furutani-Seiki CurrOpin Cell Biol (2017)]。しかし、YAPがどのように外部の力学特性を認識し、それを組織全体の力学特性へとフィードバックしているのかの詳細は不明である。 そこで本研究では、臓器サイズの回復過程において生体で時空間的力学測定の行えるゼブラフィッシュ尾ヒレ再生系を用いて、YAP活性化状態のリアルタイムイメージングの手法の確立を試みた。さらに尾ヒレ再生過程において長期タイムラプスイメージングを行うための麻酔液還流システムを樹立し、ヒレ組織に磁性流体の油滴を注入し磁場をかけてその変形を計測することで、生体組織における力学特性(粘弾性)の実測に成功した。現在YAPの核局在および活性を可視化できる新たなノックインフィッシュの作成もあわせて進めており、これまで以上にYAP活性動態の詳細なイメージングが可能になるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織に埋め込んだ磁性流体の油滴に外部磁場を加えて変形させることで、細胞組織の内部に力を加え、その応答を観察することでゼブラフィッシュヒレ組織内部での粘弾性の定量的な解析に成功した。これは本年度の研究計画のひとつの柱である「組織内部における力学特性の定量法の樹立」に関する成果であり、概ね順調に進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上記YAPの活性化状態の計測と組織の硬さの計測に加え、ヒレ再生過程のシングルセル解析により臓器再生時の力学恒常性の根幹を担う細胞群の同定に迫りたいと考えている。
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Research Products
(3 results)