2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of cellular diversity for skeletal formation using whole cell live imaging and mathematical reconstruction
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated analysis and regulation of cellular diversity |
Project/Area Number |
20H05038
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
齋藤 卓 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (60588705)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオイメージング / 蛍光イメージング / メダカ / 光学顕微鏡 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,個体全身で1細胞レベルでの蛍光イメージングが可能なメダカを利用し,疾患発生過程を経時的に追跡し,個々の細胞のふるまいと形態的異常を量的に結びつける新たな顕微光学・解析技術の開発を行う. 1.骨形態異常を有するメダカの形態学的解析.メダカの骨異常を有する変異体として脊椎骨の弯曲(側弯症型の形態異常)が見られるWy系統を導入した.組織学的検討のために固定サンプルを用いて透明骨格標本と薄切切片のHE, Sirius-red染色像を作製し,骨組織と周辺組織の評価を行った.また,網羅的細胞観察のためにb-actinプロモーター下流にH2B-EGFPを挿入したトランスジェニック系統(Actb-H2B-EGFP)を確立した. 2.2光子励起ライトシート顕微鏡による生体応用性の検証.これまでに研究代表者は,広い視野範囲と高空間分解能を達成する2光子励起光シート蛍光顕微鏡を開発してきた(分解能2-3μm,視野範囲600-1000μm).生体応用性の評価のために生体光毒性試験を行い,今回開発したベッセルビームを用いた顕微鏡はガウシアンビームを用いた従来の光シート顕微鏡と比べ光毒性が格段に低いことが示され,長期間のライブイメージングに適していることが示された. 3.ヘリカル撮像式顕微鏡の開発.多視点3D蛍光計測と明視野像の光投影トモグラフィを組み合わせたヘリカル撮像式顕微鏡をこれまで開発を行ってきたライトシート蛍光顕微鏡光学系に基づき構築した.多視点蛍光計測に関しては,血管・リンパ管形態の観察を3~5視点の3次元蛍光画像を取得し画像融合による再構成することで全身に渡り均質な蛍光計測ができることが示された.光投影トモグラフィに関しては,これまでのライトシート顕微鏡光学系に透過型の白色LED照明を導入し構築した.蛍光と名視野像が交互にタイムラプス観察可能な制御システムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メダカ変異体として脊椎骨の弯曲が見られるWy系統を導入した.組織学的検討のために透明骨格標本と薄切切片のHE, Sirius-red染色像を作製し,骨組織と周辺組織の評価を行った.また,網羅的細胞観察のためにb-actinプロモーター下流にH2B-EGFPを挿入したトランスジェニック系統(Actb-H2B-EGFP)を確立した. これまでに研究代表者は広い視野範囲と高空間分解能を達成する2光子励起光シート蛍光顕微鏡を開発してきた(分解能2-3μm,視野範囲600-1000μm).生体応用のために,この顕微鏡の持つ低光毒性能について新たに評価を行った.今回開発したベッセルビームを用いた顕微鏡はガウシアンビームを用いた従来の光シート顕微鏡と比べ光毒性が格段に低いことが示され,長期間のライブイメージングに適していることが示された. 多視点3D蛍光計測と明視野像の光投影トモグラフィを組み合わせたヘリカル撮像式顕微鏡をこれまで開発を行ってきたライトシート蛍光顕微鏡光学系に基づき構築した.多視点蛍光計測に関しては,血管・リンパ管形態の観察を3~5視点の3次元蛍光画像を取得し画像融合による再構成することで全身に渡り均質な蛍光計測ができることが示された.光投影トモグラフィに関しては,透過型の白色LED照明を導入し構築した.蛍光と名視野像が交互にタイムラプス観察可能な制御システムを構築した.電動回転ステージを用いて0.5度また1度毎の3次元明視野像の計測を行った.3次元像再構成に関しては,ボケ除去画像の構築,回転軸補正のレジストレーション法とサイノグラムの中心補正の3つの方法を微調整することにより再構成が可能であることを見出した.しかしながら,実験での回転軸の調整や計算パラメータの微調整を手動で行う必要があり,この点に関してプロトコルや自動化計算法が必要であることが判明した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では顕微鏡技術・数理解析技術の開発を行い,これまで細胞数の多さや生体深部観察等の技術的な理由から困難であった脊椎動物発生過程での全細胞ライブ追跡を実行する.これを骨格形成異常を有するメダカ変異体に適用することで中軸骨格発生過程における細胞社会多様性の量的解明に向けた研究を推進する.昨年度は,生きたままのメダカ個体発生での全細胞計測のため多視点3D蛍光計測と明視野像の光投影トモグラフィを組み合わせたヘリカル撮像式顕微鏡をこれまで申請者が開発を行ってきたライトシート蛍光顕微鏡光学系に基づき構築した.本年度は,魚類発生過程での全細胞ライブ追跡のために,以下の項目について研究を実施する. 1.蛍光イメージングのためのトランスジェニックメダカの確立.これまでに確立したb-actinプロモーター下流にH2B-EGFPを挿入したトランスジェニック系統(Actb-H2B-EGFP)と骨形態異常を示す変異体FusedとWyの交配を行い,Fused-Actb-H2B-EGFPとWy-Actb-H2B-EGFP系統を確立し,形態形成異常における網羅的細胞解析を実施する. 2.ヘリカル撮像式顕微鏡を用いて3次元的に均質な画像計測を行い,蛍光による細胞核検出と光投影トモグラフィによる形態抽出を達成する.体節形成から硬節分化・脊椎骨形成までの中軸骨格発生に着目し,胚体での細胞核の検出と石灰化骨形態の画像化を行う. 3.3次元画像解析によって細胞核を検出し細胞位置を抽出する.さらに,細胞・組織形態から形態特徴量の抽出によって形態ランドマークを設定し,このランドマーク近傍での細胞位置をもとに細胞アノテーションによって細胞情報の数理再構成を行う.
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[Journal Article] A novel regulatory mechanism against BMP/Smad signaling by Smurf2 in bone2020
Author(s)
Junichi Kushioka, Takashi Kaito, Rintaro Okada, Hiroyuki Ishiguro, Zeynep Bal, Joe Kodama, Ryota Chijimatsu, Melanie Pye, Masahiro Narimatsu, Jeffrey Wrana, Yasumichi Inoue, Hiroko Ninomiya, Shin Yamamoto, Takashi Saitou, Hideki Yoshikawa, Takeshi Imamura
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Journal Title
Bone Research
Volume: 8
Pages: 41
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research