2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multi-level brainfodynamics database and its application to disease modeling
Publicly Offered Research
Project Area | Brain information dynamics underlying multi-area interconnectivity and parallel processing |
Project/Area Number |
20H05052
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 鉄平 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (10725948)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 脳活動イメージング / カルシウムイメージング / 機能的MRI / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、モデル動物において細胞―回路―脳血流を同時に繋ぐ新規機能イメージングによる実験的データベースを構築し、それを用いて大脳ネットワークモデルを作成することである。精神疾患における大脳の活動異常が分子レベルの異常からどのように生じるかを理解するためには、分子―細胞―回路の異なる階層の相互作用を取り入れた大脳ネットワークの高度なシミュレーションが不可欠である。このようなシミュレーションでは、探索可能なモデルのパラメーター空間は広大であるため、実際の脳活動によりモデルを拘束することが重要となる。またヒトへの臨床応用という観点からは、このような大脳ネットワークモデルと機能的 MRI により得られる脳血流データとを比較できることが望ましい。本研究の目的は、1)モデル動物において細胞―回路―脳血流を同時に繋ぐ新規機能イメージングによる実験的データベースを構築し、2)それを用いて大脳ネットワークのリアリスティックかつヒトへもトランスレータブルな大脳ネットワークモデルを作成することである。 初年度には領域内共同研究を通じて精神神経疾患モデルの安静時脳活動解析を行った。合わせて、健常なマウスにおいて広域カルシウムイメージングを行い、視覚刺激提示時の大脳ネットワークレベルでの神経活動解析を行った。その結果、視覚刺激が入力されることによって安静時の自発的脳活動が部分的に抑制されることが明らかになった。また、このような抑制は視覚刺激に対して応答する局所だけでなく、それを含む視覚野ネットワークの全体で起きていた。大脳ネットワークのモデル化に関しては、モデル動物への応用にさきがけてヒトの機能的MRIデータベースを用いた深層学習による大脳ネットワーク活動のモデル化を行った。このモデルにより仮想的な大脳ネットワーク活動を生成することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画は概ね順調に進展している。精神疾患モデルマウスについては領域内共同研究によるデータ取得と解析が進んでいる。また、安静時自発活動と外部刺激の相互作用について新しい知見が得られており、神経活動と脳血流の対応関係についても新しい知見をもたらす可能性がある。また、ネットワークモデルについては深層学習を用いた大脳ネットワーク活動のモデル化に成功した。このことは以上の理由により、本研究は想定通りに順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
安静時脳活動と刺激誘発性活動の相互作用などのデータを取得するとともに、これまでに得られた研究成果について論文として発表が可能なものについては学会発表や論文発表を行っていく。精神疾患モデルマウスについては領域内共同研究を加速し、データベースと解析ツールの開発に取り組む。
|
Research Products
(3 results)